「博多の水炊き」を家で真剣に作ったみた

皆さんは家で「水炊き」って結構やります?

我が家は鍋物としては「寄せ鍋」が主流で、水炊きはほとんどやりません。九州女のヨメさんは水炊きは大好物なんですが、家で作るのは寄せ鍋が20回で水炊きが1回ぐらいかな。だから1年に一回、作るか作らないかみたいな頻度。でも鶏ガラ・骨スープはそれなりの頻度で作ります。鶏肉は「骨付きドラムスティックが一番美味しい」と思っていて、それを買えば必ずそこそこの量の骨が出ますから、それでスープを作ったりお粥にしたり。

先日、「博多水たき【とり田】@LOT10」に久しぶりに行きまして、その美味しさに感動したのはブログに書きました(ここをクリック)

前からこのお店は大したもんだと思っていましたが、自分で調理実験をやるようになってからとり田の凄さがはっきりわかりました。自分が作るものとはまるで違いますから。(笑)

私が気になるのは「スープ」で、これがきっちり取れないと水炊きにならない。でもこれが簡単じゃないんですね。

じゃぁどうやったらあのような美味しいスープが取れるのか。これの実験をしました。

結論から言うと、とり田ほど美味しくないけれど、今までとはまるで違うレベルのスープを取ることが出来ました。

見た目はこんな。

目標としている「博多水たき【とり田】@LOT10」のスープはこんな感じ。

今までとどこが違うかと言うと

1 濃さが違う

2 雑味がない

3 色が違う

今まで我が家はこれで良いと思っていたのがこんなスープ。スープの濃さ、美味しさが「博多水たき【とり田】@LOT10」とは全く違う。

あるいは、味を濃くしようとするとこんなになったり。色も悪いし雑味も強い。

まず濃さですが、これは「水とガラ」の量の関係だろうと単純に考えています。でも「どんなガラを使うのか」ってのは難しくて、「博多水たき【とり田】@LOT10」では鶏丸ごと使っているとのこと。そして9時間煮込むらしい。

私としては、鶏を丸ごと使う必要は無いだろうと思っていて、「鶏ガラ」「モミジ(脚)」「手羽」「モモの骨」をその時その時の気まぐれでいろいろ組み合わせています。ただ、手羽の様に「肉」がつくものを積極的に使うことはほぼありません。とり田では「丸ごと」を使うとのことで、「肉」もかなり重要なのかもしれないとは思うものの、家で作る場合は「コスト」を考えますから、なかなか難しい。

でも気がついたんですよ。「スープが大事だとするなら、ここでケチってはいけない」ってことじゃないかと。

やっぱりどんな鍋にしても「具材」にはそれなりにコストを掛けますが、我が家では「スープにコストを掛ける」という考え方はありませんでした。もちろんヨメさんが鍋物を作る時には「羅臼昆布」や「花がつお」等を使いますが、「コストを掛ける」という意識はないんですね。これって単なるケチなのか、そういう世界を知らずに今まで来たのかわかりませんが、考えてみればコンソメスープにしても洋食では「スープを取った具材は捨てる」なんてのが当たり前にありますし、その最終的に捨ててしまう具材にコストも掛けるわけで、また和食でも出汁を取った昆布や鰹節を捨てることは普通にあるわけで、単に、私がケチだっただけかもです。(笑)

だから今回はかなり多めのガラを使ってみました。3人分の量のスープとして2リットルぐらいを目安にして作りましたが、使った具材は「鶏ガラX2」「手羽8本程度(1パック)」「モミジ8本程度(1パック)」「首15本程度(1パック)」、そして鶏肉は骨付きのドラムスティックが好きですので、肉をはずしたドラムスティックの骨が10本程度。

この写真は撮らなかったのですが、かなりの量で、6リットル入りの鍋にこれらを入れて水を足しますとほぼ一杯になるくらい。すごい量です。いつもの倍以上の量。

まずこれらの具材を一度茹でます。ここでも「ちょっと茹でて」という感じではなくて、沸騰してから5分ほど放置。これでかなり味も出ちゃうと思うのですが、そこは目をつぶってスープは廃棄して具材を流水でよく洗います。特に鶏ガラ。

それをまた煮込むわけですが、

◯ 圧力鍋を使わない

のが重要だと考えました。それは今までの経験上、圧力鍋って時短には最高ですが、長時間の場合はどうも美味しくないと感じるんです。私は「雑味」ってのがよくわからないのですが、なんだか「鶏臭い」と感じますし上品さがないのね。そして色も悪くなる。黄色というか茶色っぽいスープになることが多い。

ですので、今回は普通に煮込みました。

ただスープは「白湯」、つまり白濁させたいので火は強め。火の強さに「ボコボコ」「グツグツ」「ポコポコ」「沸騰させない」があるとすれば、「グツグツ」にしました。白湯スープは水と油分が結合して、つまり「乳化」させないとならいわけですが、それには「油」「乳化剤(ゼラチン等)」そして「撹拌」が必要ですよね。で、火を強めにすると強い対流が出来て撹拌され白濁する。逆に透明な「清湯スープ」、「コンソメスープ」は絶対に沸騰させない。

ちなみにラーメン業界で「鶏ベースのスープで白濁させるのは難しい」と言われているようですが、モミジ(脚)などのゼラチンが多い具材を入れると白濁する。あるいはハンディタイプのフードプロセッサで撹拌したり。豚骨スープもボコボコ煮ないと白濁しないし、ゼラチンを増やすためにモミジ(鶏の脚)を入れることもあると。

そんなこともあって、私が白湯スープを作る時にはモミジを多く使います。また今回は手羽も(惜しげなく)使いましたので、ゼラチンの量はかなり多いはず。

煮込み始めてすぐに白濁してきますが、そのまま6時間煮込みました。当然、水分は蒸発しますので、何度も何度も水を追加します。

6時間経った時点では、「太めの骨以外はほとんど原型を留めない」ぐらいに細かくなりました。スープはデロデロ。

それを濾します。ザルで漉すだけじゃなくて、デロデロ状態のものをオタマで潰し、絞ります。「博多水たき【とり田】@LOT10」のスタッフが言っていた「最後に絞る」とはこのことでしょう。

それがこれ。あれだけの具材を使ってできたのがこれっぽっち?という感じですが、濃厚な、そして色も綺麗な白湯スープになりました。

鶏のガラなどを煮込んだだけで、他には一切何も入れていませんが、なんとも言えない「濃厚で美味しい鶏スープ」が出来ました。\(^o^)/

ガラの量を増やして、圧力鍋を使わなかっただけでこのレベルが出来てしまうのは、正直なところ意外でした。なんだ~~~、簡単じゃないかと思ったくらい。

ただ私が今でも疑問なのは、「なぜ圧力鍋で長時間煮込むと色も悪く【雑味が出る】のか」という点で、今回のスープにあの鶏臭さというのか雑味というのがそういうのが全くありませんでした。これって温度の関係かな(圧力鍋では120度まで上がる)と思っていたのですが、実は先日、「蓋を開けて煮込まないと雑味がスープに残る。蓋を開けて煮込むと雑味は飛ぶ」というネットの記述を見て、それって本当で(科学的根拠はわからないにしても)大事なことなのかもしれないと考えるようになりました。豚骨スープをボコボコ煮込むのもそういう意味があるのかもしれない。

まずこのスープだけを食するところからスタートですが、塩を少々入れただけで美味しいと思いました。かなり「博多水たき【とり田】@LOT10」の味に近い。\(^o^)/

でもまろやかさとか感動レベルの美味しさは無いわけで、ここから一段上の美味しさを出すってのがプロの腕なんでしょうねぇ。それは具材かもしれないし、茹で方、水質の違いもあるのかもしれないし、また昆布などの他の材料をわからない程度に使うのかもしれない。

後で気がついたことですが、もしかしたら牛乳、粉ミルクも入っているかもしれない。え?と思うかもしれませんが、韓国料理のコムタンスープにそれを入れるとか、そういう裏技的なものがあるとヨメさんが言っていましたし、そうやって作るヨメさんのコムタンスープはかなり美味しいんですわ。この辺の実験は次回やってみようと思います。

また「白米」をほんのちょっと入れて煮込むという手もあるらしく(洋食のビスクでもとろみ付けにコメを使うというレシピがある)、それでまろやかさ、弱いトロミを付けると。そういえば「博多水たき【とり田】@LOT10」のスープには弱いトロミを感じるのですが、それってゼラチンかと思っていましたが、あれだけのトロミをゼラチンだけでつけるとかなりベトベトになるはずですよね。でもとり田のスープはベトベトとは感じない。

また鶏ガラですが、鶏のスープを取るには「ヒネ鶏」が良いと言われていますよね。いわゆる(卵を生む)鶏の最盛期を過ぎて、後はつぶすだけみたいな鶏。普通に肉を食べる場合でも「若鶏」よりも「大きく育った鶏」の方が歯ごたえもあって味も濃厚なのは間違いがありませんよね。で、そのヒネ鶏ですが「NSK」で売っていたのは覚えていて(たしか「姥鶏」みたいに表記してあった)、それをいつか買ってきてトライしてみるつもり。また「博多水たき【とり田】@LOT10」はスープを取るのに「丸ごと」使うとスタッフが言っていたのもその手の鶏の可能性はかなりある。コストの問題もありますし。中華料理屋でも基本のスープはあれで取っているんじゃないかと思ったり。

「博多水たき【とり田】@LOT10」では、まずはスープの味見をしてから、肉を入れ「若干の野菜(主にネギ)」をさっと茹でてそれで食べるのが第二段階。

これですね。

今回の我が家の実験もそれと同じ様にしてみました。(笑)

でもここではっきりわかったことがあります。ほんのちょっとの野菜を入れただけで「スープの味がまるで変わってしまう」ということ。

これはこれで良いのでしょうが、スープ作りに拘った私としてはなんか拍子抜けしてしまいます。私としてはスープの美味しさを持続したまま鶏肉を食べ続けたいと思います。

そして水炊きには絶対に欲しい「ゆず胡椒」。今回は「シークワーサー胡椒」と「かんずり」も用意しました。

ある程度、鶏肉を食べた後に、様々な野菜を入れ、鶏は「団子」を入れて先に進むわけですが、私はこれが面白くないと思うんですわ。段々と「寄せ鍋」の味に近づいてしまうような、「あの繊細な鳥スープはどこへ行ったんだ~~」みたいな。(笑)

でも野菜も何も無しってのもおかしなものですので、これらを用意しました。拘ったのは「長ネギ」です。清水の舞台から飛び下りるつもりで「(高い)日本産の長ネギ」を買ってきました。そして豆腐も同じく、いつもは買わない「ケンちゃん豆腐」。(笑)

そして鶏団子ですが、「博多水たき【とり田】@LOT10」のはミンチというより「歯ごたえがしっかりしている細切れ」の感じなんですね。それに近づくように作ってみました。繋ぎには「卵の白身」のみ。(ナンコツは鶏ガラに着いている2つしか無いのであえて使いませんでした)

ま、間違いなく今回の水炊きは美味しかったのですが、やっぱりまだまだという感じがあります。そりゃプロが、それも手抜きをしていない店と同じ様に私に作れちゃったらプロの意味がないわけですが、今回以上に美味しくするためには一体何が必要なのか、どう作るのかは私にはさっぱりわからず。たった一日でいいから、とり田の厨房でアルバイトさせてもらいたいと、本当にマジでそう思うくらいです。

でも今回、これはとり田より良いと思ったことがあります。

それは「鶏を食べるためのスープ」と「野菜も入れるスープ」と別々にしたこと。鍋が2つということです。(笑)

私としてはこの水炊きの美味しさは、「野菜などを入れる前の美味しさにある」と思っていて、なんでもかんでも入れて味が混ざってしまった水炊きは私の好みではありませんでした。

でも今まではこういう感じでいつも作っていました。

これじゃ、ただの鶏鍋。

鍋を2つ用意するなんてバカみたいな話ですが、最後までスープの美味しさを楽しめるし良いと思います。

それと今回の鶏肉、ガラなどはJaya Grocerの普通の鶏を使いましたが、いつか食べる肉に関しては「カンポンチキン」を使ってみようと思います。

さぁて、どこまで美味しくなるかな~~~~。楽しみ、楽しみ。

 
 
 

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2 thoughts on “「博多の水炊き」を家で真剣に作ったみた

  1. 京都の水炊きは昆布だしにだけなのですがそれは置いておいて。
    一時期鶏ガラスープ作ってまして断言できるのは
    圧力なべでは雑味の無いすっきりしたスープにはならないこと
    (匂いがスープに移ってしまうから)
    寸胴で水を足したし灰汁を取り鍋横を焦げないようにし なおかつ油は残し
    時間は忘れましたが7時間位で白濁がスーッと消えクリアスープになるんです。
    ラーメン屋がガス代の事言うのはそんな理由です
    ちなみに体中部屋中が鶏ガラスープの匂いになります
    すっきりしておいしいですよ時間かけると
    下ごしらえももっと大切ですが

  2. へーーー。

    >時間は忘れましたが7時間位で白濁がスーッと消えクリアスープになるんです

    これですが、このようなことは聞いたことがありません。またどうしてそうなるのか、なぜ一度乳化したものをもとに戻す必要があるのかとか、なにか参考になるサイトとかないですかね。

    「解乳化」という乳化がもとに戻る作用(マヨネーズの油と水が分離するみたいな)があるのは知っていますが、どうして煮続けると白濁したスープがそうなるのか、またそうする必要があるのかさっぱりわからずです。

    不思議だ・・・。

    大西さん、私がやっているのは「料理」ではなくて「調理実験」ですから、是非、科学的にわかるような説明をお願いしますね~。

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