「生き方としての死に方」

ちょっと真面目な話も書き残しておきたいと思うのですが、私が尊敬する「西部邁氏」が1月に入水自殺をして(協力者がいるらしいと調査中)から、いろいろと考えることが増えています。

本当に人生をどう生きるかの答えをだすのは難しくて、そんなことを考え出すと必ず頭に浮かんでくるのが明治時代に華厳の滝から投身自殺した「藤村操氏」。あれは高校時代だったでしょうか、太宰治にも感化されていた私が彼の遺書を知ったときにはやっぱり人生なんてそんなもんかという落胆と、彼が人生を終わらせようと思う気持ちも良くわかって、どうしたもんかと悩んだもんです。

若干17歳の藤村操が残した遺書。

巌頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て
此大をはからむとす。ホレーショの哲學竟に何等の
オーソリチィーを價するものぞ。萬有の
眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の
不安あるなし。始めて知る、大なる悲觀は
大なる樂觀に一致するを。

結局、悩んで悩んで考え抜いて出た答えは「人生は不可解」であるということで、「不可解だということを理解した」とある意味、一つの結論に達したんだろうと思うし、それって悲観でもあるけれど楽観でもあるというのもわかる。そしてこの藤村操氏を知り、あとを追いかけた若者がたくさんいた(180人以上いたらしい)というのもよく分かる。

そんなことを考えながらジジーになって、なぜかこの藤村操氏と西部邁氏が私の中ではダブるんですよ。

西部氏は若い頃はバリバリの左翼で、後に保守に転じましたが、彼の理論というか哲学というか思想はかなり深く考えられていると思うし、一つの方向性として私の生き方というか考え方の指針にもなってきました。彼ほど頭も良くないし、思考力もない私ですが、彼の「(日本人の)答えは(日本の)伝統の中にある」みたいな考え方って納得できるもので、共産主義も民主主義も自由主義もただの「実験」でしかないのははっきりしていると思うんですよ。決してそれがベストではないし、でも答えがないからとりあえずそれでやってみるみたいな、ソ連も中国も、あるいはアメリカも「実験国家」でしかない。

でも日本の2000年を超える伝統の中にはそれらに勝る答え、あるべき生き方があると私も思うわけで、そこに学べ、大切にしろというところが私が西部氏に惹かれた原点かな。保守もどうあるべきかというのはかなりたくさん彼から学びました。そして保守VSリベラルという図式は、私は政治的なものでしかなくて、人間の基本は保守だと思うんですよ。リベラルが駄目ということではなくて、保守を育てるのがリベラルだと言うべきか。

世界の自由主義、民主主義も、当然、資本主義みたいなメチャクチャなものが行き着くところはどんなところかってのは見えて来ているし、いまさらマルクスを出そうとは思わないけれど、マルクスを経済学としてではなくて、人間の生き方と捉えた場合、今の民主主義、自由主義も学ばなければならないところはあると思うわけで、右派と左派が争うこと自体がバカバカしいとさえ感じます。

国や政治は別にして、自分が人としてどう生きるかという点で、西部氏は非常に面白い存在で、最初に書いた華厳の滝に身を投じた藤村操のように諦めること無く自分が知りたいことを探求し続けた人。でも行き着く到達点みたいなものはなくて、「結局何も考えないのが一番幸せだ」という、決して嫌味ではない真実に近いものを彼はいつも口にしていて、探究心は凄まじいけれど、それを遠くから自分でも馬鹿にしながら見ているみたいな彼のスタンスが私は好きでした。

でも彼は自ら命を絶った。ま、これは皆が予想していたことで、彼も数年前から死にたいと何度も口に出していましたもんね。でも死は終点とか到達点ではなくて、私としては言論人としての諦めを感じるんですよ。それは自分に対してでもあるし、それと今の社会、祖国日本に対しての諦め。そんなものが大きかったんじゃないかと、ちょっと三島由紀夫とダブルところもあって、自分はもう卒業して、あとは頼むと言われているような感じもある。

私はただの凡人で三島由紀夫氏にしても西部氏にしても私の理解の遠い彼方にいた人だけれど、私の生き方の延長線上に彼らがいたのは間違いがなくて、どうにか私も彼らが理解できたことの一部でも知りたいという願望があります。

信じられないとは思うけれど、私はいつのころからか「自分の死」に対して恐怖がなくなったというか、いつかはかならず来るものとして受け入れることがもう今の時点で出来ちゃっていて、ただ残すことになる家族のことが心配なだけ。でもこのまま死ぬのも悔しいのは間違いがなくて(笑)、やりたいことをしたいとか今までできなかったことをしたいとか、そういう欲求はまるでないのだけれど、「やっておくべきこと」はやっぱりあるんだとある時、思ったんですわ。

ま、それがマレーシアに来た理由でもあるんだけれど、それと共に、好きだった三島由紀夫氏や西部氏のことをもっと理解したいなぁ、と。

三島由紀夫氏のことも私は詳しいわけでも何でも無くて、ただ彼が言った「人は自分のためだけに生きられるほど、強くはない」というインタビューの彼の答えに衝撃を受けたんですわ。勉強不足の私はそういう言葉ってそれまで聞いたことがなくて、ああ、これが真理だとその瞬間思ったわけで、もっと彼のことを知りたいなぁと。それは自分を知ることでもあって、死ぬまでにもうちょっと頑張らないと、なんて思っているわけです。

西部氏の話も私にはかなり難解なところがあるんだけれど、もう少し理解したいなぁと。そしてそんなことをジジーになっても考え続ける自分を「馬鹿だなぁ」と笑いつつ西部氏みたいに時が来たらおさらばするのも良いんじゃないかと。

 
 
 

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