マレーシアにおける食品の殺菌&低温調理は何度なら大丈夫? 【備忘録】

日本ならあまり気にしないことですが、海外に出るとやっぱり気になるのが「食あたり」ですね。ゴールドコースト在住時の25年間に家食でも外食でも「食あたり」の経験はありませんが(生卵は普通に食べる)、マレーシアとなると話は別。

ヨメさんもワンウタマのイオン(当時はジャスコ)の前で売っていた「焼き鳥」をちょっと口にして、臭い!とすぐに吐き出したのにものの見事にあたって2,3日は寝たっきり。1週間は普通の食事もできないぐらい酷いことになりました。ちなみにその時、私は一口「飲み込んでしまった」のですが、全く何も起きませんでした。昔から「私だけはあたらない」ということを何度か経験しています。(笑)

友人知人に聞いてもマレーシアで一度や二度は悲しい体験をした人は決して少なくない。

野菜や飲み物などの殺菌は別にして、ここでは「肉類、卵」を中心に書きます。

私は低温調理が趣味なんですが、低温調理では結構危ない温度を使うんですね。このブログには低温調理に興味がある読者もいますので、それも合わせて書こうと思っているのですが、一般的な菌の場合、どの程度で繁殖、死滅するかのガイドラインはこんな感じ。

まずおさらいですが、たとえばサルモネラ菌はどういう環境で繁殖するのか。

0-8度  増殖しないが死なない
8-15度 徐々に増殖する
15-30度 かなり増殖する
30-38度 激しく増殖する   ← ここがピーク
38-40度 かなり増殖する
40-60度 徐々に増殖する  ← 低温調理ではこの温度帯をよく使う
60度以上  5-10分で死滅する
100度   数秒で死滅する

こういうことを念頭に加熱しろと言われても刺し身や牛のタタキ、ユッケを食べる日本人にはちょっと違和感がなくはないですね。牛肉ステーキもこの温度じゃウェルダンになっちゃいますし。

ただし、サルモネラ菌やカンピロバクター、あるいはO157も「食品の表面に付いている」ことが殆どで、中まで入っていることは稀らしい。生卵もそうで「一番危ないのは殻」であって中身じゃないのね。

だから表面、外側だけ注意して殺菌すればかなり危険から逃れられるんじゃないでしょうか。

でももう少し他の実験結果などを見てみましょう。

鶏肉で心配なカンピロバクターですが、どの温度で何分加熱すると生きているのか、死んでいるのかの実験結果。熱には弱いんですね。

参照 「暮らしの健康」

O157も熱には弱いらしく、こういう実験結果があります。これは東京都福祉保健局のデータです。

参照 東京都福祉保健局 食品衛生の窓

これらのデータを見ると、60度というのが一つの分岐点なのが見えてきますね。

そしてマレーシアでの食あたりの例を聞きますと「生暖かい食べ物」であたったという話を良く聞きます。作り置きしたものを温めて出すんでしょうが、その温め方が中途半端だと駄目ってことなんでしょうね。ヨメさんがあたった焼き鳥も店頭のケースに入っていて常温になっていたものでした。

また厚生労働省のデータにこういうのもあります。これに関しては日本の「食品衛生基準法」などを参考にするのが一番じゃないですかね。一つの例でこういうのがあります。

食肉製品の生産業者が守らなければならない基準はいろいろあるわけですが、その中の調理温度に関する基準です。これを見れば、どんな感じで低温調理をすればよいのか指針が見えてくるはず。

「非加熱食肉製品」(火を入れずに食べる肉製品)を製造するときの温度。でもこれは「この温度と時間で殺菌できる」という意味ではありません。でも「安全」の見地からこの基準を設けているはず。

2015-05-19_23h06_07


厚生労働省の出している食肉製品製造に関するPDF。画像をクリックすれば表示されます。

また厚生労働省のサイトにはまぁいろいろ書いてあるのですが、

63度で30分

というのが一般的なコンセンサスとなっているんですね。これはかなり余裕を見た数値であるとは思いますが、こういうガイドラインを守らなければならないんでしょう。だから病院や学校では絶対にミディアムレアの肉は出てこない(給食はまた別のガイドラインがあったはず)。でも牛肉をそのその温度にしちゃうと「ほぼウェルダン」の温度ですからお話にならない。じゃぁどうするのかってことですが、上の温度別の時間を参考にするしか無い。

ですからステーキやローストビーフを低温調理する場合、レアが好きな人は53-55度。ミディアムレアで55-57度って感じでしょうか。低温調理の場合はその温度で30分ってことはほとんどなくて1時間以上その温度を保ちますから、ほとんど問題はないと言って良いと思っています。逆に、普通にステーキをグリルやフライパンで焼く時に、表面だけしっかり焼いて、「中は生のまま」なんてことも私みたいなレア好きにはよくあるんですが、その方が危険ということになりますね。

そして卵ですが、世界的に「生食用」というか「生でも大丈夫」という殺菌済み卵「Pasteurized Eggs 」が売られていますよね。マレーシアでも普通の卵とは別にガラスケースの中に並んでいるのがそれ。

それを使えば良いのでしょうが、あれって「低温殺菌」されたものですから、低温調理が趣味の私は自分でやれば問題なしです。かつて私は温泉卵を「温度計」で温度を測りながらやっていましたが、低温調理機がなくても温度計さえあれば誰にでも殺菌はできるし、温泉卵も簡単に作れます。

前にも書いた私の実験を紹介します。

上のデータを参考にしながらゆで卵を60度以上、10分以上で試してみました。

62度。30分。温度と時間的には完璧でしょうが、見た目は温泉卵。これじゃ生卵じゃないですね。

RX100-04720

黄身を割ってみるとこんな感じ。生と同じ。

RX100-04723

混ぜてみます。こうなると生卵とほとんど変わりはなく、食べてみたところ、ズルっとした白身の感触はなく、黄身は濃厚でこの方が美味しいと思うくらい。

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私としてはこれで完璧だと思うのですが、さて、生卵は危険と言われている海外ではどういう風に家で消毒しているのか調べてみました。すると私の想像とは逆で、意外に皆さん生っぽいのを作ってるのね。

60度で3-5分茹でるだけ。あるいは室温の状態から水から火に掛けて60度に達したら火を止めて取り出して冷やす。決して60度を超えてはならないと書いているサイトもありました。それは白身が白くなるからだろうと思います。

60度で5分茹でてみました。生卵と全く同じ状態。でも茹で卵。(笑)

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崩してみます。生卵との違いは全くわかりません。

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これならいいですねぇ。これは決して生卵ではなくて、生卵に見える茹で卵。(笑)

ま、こんな感じにすれば生卵はきっと問題はないんでしょう。

ところで牛肉のユッケ販売が禁止された日本ですが、絶対に駄目っていうんじゃないんですね。ちゃんと規定に沿って扱うのならユッケを売っても良いことになっている。また我々は「牛のたたき」とか「鶏わさ」とか食べるわけで、当然、魚介類の刺し身を食べますし、「本当に危険なのはその食材ではなくて、扱い方」だと私は思っています。

でも我々が店で食べるにしても、材料を買ってきて家で料理するにしても、流通過程でどんな扱いを受けているかわかりませんから、「きっと危ない」という前提で考えることは大切だと思うんです。ましてやここはマレーシアですから。

おさらいとしては、生食は危ないし、そもそも豚肉や鶏肉を生で食べる習慣は一般的ではないというのが前提で

◯ 牛や豚のブロック肉の外側はきっちり殺菌する。中は菌が入っていないと考えることは可能。でも低温調理で53度以上でそれなりの時間を掛けるのが安全。

◯ 卵は殻の扱いに気をつける。中は菌が入っていないと考えることは可能。でも低温調理で60度10分で殺菌可能と考えられる。

◯ 鶏は痛みが早く、新鮮でもカンピロバクターがいるという前提で考えるべき。殺菌には60度以上、一定の時間の調理が必要。 (鶏わさの様に湯通しすれば大丈夫か?)

◯ カットされた肉、薄切り肉、ミンチは菌が全体に回っていると考えるのが妥当で、生食はかなり危険。55度以上、一定の時間の調理が必要。

で、随分防げるだろうと考えています。

なおかつ、調理する時には上に書いた温度と時間を念頭に入れておけばかなり危険は少なくなるんじゃないでしょうか。

また鶏肉の場合は牛肉と違って調理温度が高めですから、低温調理をしたとしても63度以下ってことは(私の場合)ほとんどありません。胸肉だと60度ではちょっとピンクが残る程度ですし、63度なら全く問題ないし、固くなるなんてこともない。またもも肉は62,3度だと「これ、生じゃね?」みたいな感じになりますから、68度ぐらいに上げたほうが良いと思います。

牛肉は55度で私は3時間以上保持しますので、これも問題がない。それどころか55度でキープすると「熟成効果がある」とされていて、肉は柔らかくなりますし、3-5時間キープするということは普通にやります。

なんで今日、こんなことを書いたかというと、実はユッケを食べようと思って肉を買ってきたんですよ。その肉は、先日紹介した「韓国牛」の美味しい肉ではなくて、スーパーで売っているオーストラリア牛。

もしこの肉が「危険」だとしたらどうやってユッケを食べたら良いかなと考えたわけです。私は自分自身があたることは無いと思っていますが、胃腸が弱い人や、子供や老人には私の食べ方は薦められませんし。

そのユッケに関しては、また別の日記に書くことにします。

 
 
 

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