「青じそ」をマレーシアで育てる【家庭菜園】

海外に出ているとどうしても地元では売っていない野菜が欲しくなりますから、家庭菜園で栽培するケースは非常に多いはず。

私の場合は

◯ 三つ葉

だけは欲しいと思っていて、三つ葉に関してはまた書くこととして、「青じそ」を育てて欲しいとヨメさんからリクエストが入りました。

青じそもあればあったで嬉しいですが、ゴールドコーストでは「周年栽培」に成功していたものの美味しい青じそは作れませんでした。当時、中学生だった子どもたちに「このシソ美味しくないね~~」なんて言われる始末。(笑)

どう駄目だったのかというと

◯ 香りが薄い
◯ 苦い

食べるための野菜であって観葉植物じゃありませんから、「美味しくない」とすれば全く意味が無いんですね。でも私には美味しい青じそを作るノウハウがありませんから、マレーシアに来てからは青じそは栽培計画から除外していました。

結論からいうと、青じそを「育てる」のは難しくないと思っています。でも「味」「香り」は別問題。

日本では一般的に「青じそは放って置いてもどんどん増えるし簡単」と言われていますよね。それに「夏の野菜」ですからマレーシアのような常夏でも簡単に育つような気がしてしまう。でも「夏野菜」とは「夏に収穫する野菜」の意味であって、真夏に種まきをするわけじゃない。

ここがポイントだと思うんですよ。

春になり、暖かくなった頃に種を蒔き、暑い夏が来たら大きく育ち収穫をする。つまり、常時真夏の気候であるマレーシアでは「種まき」には適していないってことになりませんかね。マレーシアでは「青じそ栽培が難しい」と言われているのはそこじゃないでしょうか。

でもそこそこ育ってしまえば、マレーシアの暑さは「東京の真夏より涼しい」わけですから難しくないはず。

とりあえず我が家の青じそはここまで育ちました。でもまだまだ子供で、これからが難しくなります。

ここまで育てるのに難しいと思った点ですが

◯ 「小さいうちは」直射日光に当てると簡単に「死ぬ」

陽は必要ですが、ポットやプランターで育てる場合、当然それに直射日光が当たるわけで、簡単に「土の温度」が50度を超えちゃうんですね。これでは「煮えて」しまう。

でもそれは「薄いカーテン」を一枚かませた日光なら問題ないはず。我が家では「人工光」で育てました。だから土の温度も気温を超えることはなく、種まき=発芽=本葉がでるくらいまでは全く問題がありませんでした。ちなみに人工光はLEDで苗そのものには1万ルクスを超える光量(照度)を確保。

本葉も何枚か出揃ってきたところで、段々と日光に当てて慣れさせまして、今ではベランダの一番陽当りの良い場所が定位置になっています。(収穫時期になったら陽が当たりすぎるので場所を変える)

◯ 水がすぐ腐る。根腐れが起こる。

この根腐れですが、何度も経験しました。私は基本が水耕栽培ですから「水をためて使う」事が多いのですが、簡単に水がだめになって根腐れして「全滅」なんてことを数度経験しました。これはポットやプランターでもほぼ同じはずで「水はけが良い土」であるのはかなり重要だと思います。そして水やりは回数とか頻度を決めるのではなくて、苗を見ていますと水が必要になるころにはヘナヘナしてきますので(笑)、その時を見計らって十分に水やりするのが良いかと。

これって植物によっていろいろで、水には強いはずの「ポトス」や「里芋」でも簡単に根腐れするので要注意。湿り気が好きな三つ葉も同じく。青じその場合は「乾き気味」でも大丈夫だと思います。

問題はこの後なんですね。

マレーシアは赤道に近いですから、「日照時間」が短いんですね。これの何が問題かというと

◯ シソは「短日植物」である

という点。植物はいろいろですが、「日の長さ」に大きく影響を受ける種類がある。シソもそれで「短日植物」、つまり「日が短くなると花を咲かそう」とするんですね。菊と同じ。

ですから日本ですと「夏至を超える頃」に一斉に咲き出す。つまりマレーシアは「常に短日状態にある(日本の夏のように日が長くない)」わけですから、ちょっと育っただけでまだ子供なのに子孫を残そうと一生懸命「花芽を出そう」とするんですね。

殆どの植物は「花を咲かせて種を作り、子孫を残す」わけですが、花が咲くと「もう終わりに近づく」んですね。実や種を作るためにエネルギーを集中させる。シソの場合ですと穂紫蘇をそのまま放置していると花が咲き、「葉を食べる」ことが出来なくなる。

ではどうするか。

基本的には「花芽を見つけたら摘み取る」ことが重要だと思います。「穂紫蘇も欲しい」なんてことは忘れてとにかく摘み取る。穂紫蘇なんてあとでいくらでも出てきますから。(笑)

それと「プロの農家もやる方法」ですが、「日が短くなる」と花芽を出すのであれば、「日を長く保つ」ことができれば「花芽は出さない」わけです。周年栽培をする場合には「必ず」この方法を取る必要があるはず。

つまり、「人工光を使う」ってことなんですね。夜になっても明るい状態を保ち「そうかまだ秋は先なんだ」と勘違いさせる。(笑)

ではどのくらいの光を何時間当てるかってことですが、私はプロでもなんでもありませんし詳しいことはわかりませんから、毎日18時間程度の日照時間(人工光)を確保していました。

昔、農家で夜中なのに畑に電気を煌々と照らしていて、何をやっているのかと思ったことがあるんですが、まさにこれなんですね。

ところが最近、ネットで青じそのことを調べていてわかったことがあります。

「短日植物」と呼ばれますが、実は実態は「長夜植物」であるのがわかった。

つまり「日が短くなるのをシソは見ているのではない」ということ。「夜が長くなるのを見ている」んだそうです。

そしてここが重要ですが、「暗い夜中に【明るい光】を当てると、その夜の長さの計算が【リセット】される」らしい。

つまり夜中に何時間も煌々と光を当てる必要はなくて、1時間程度夜中に人工光を当てるだけで「夜はまだ短い」と判断するってこと。

これなら素人でも簡単で、面倒といえば面倒ですが、ずーっと照らすことを考えればはるかに楽。私の場合ですと、LED照明をタイマーで自動的にスイッチオンするようにするだけで済みます。

その他、ゴールドコーストでの栽培と較べて感じることですが

「育つのが遅い」

ってこと。この理由が私には全くわからなかったのですが、ある時、「全滅してもしょうがない」と思いつつ、「肥料の濃度を二倍」にしたんですよ。すると3日後ぐらいからメキメキ育ち始めました。

なんだぁ・・・と思ったんですが、これって結構不思議なんですね。肥料だってやりすぎたらうまく育たないし、死んでしまいますから。

私が想像するのは「温度に関係」しているんじゃないかと。温度が上がりますと「肥料の吸い上げが悪くなる」のは一般的に言われていますから、きっとそれだろうと。

ただ肥料と一口に言っても、基本的な「N(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)」だけじゃなくて鉄だのマグネシウムだの必要な微量元素はいろいろあるんですね。で、それらも温度によって吸収が良いとか悪いとかいろいろ。でもこれは調べようがなくて、何かが多すぎる、少なすぎるのは「苗の様子」を見ていればわかるわけですが、素人には簡単ではないし、肥料の内容、微粒元素を与える、減らすなんてことはほぼ不可能。これが水耕栽培なら結構簡単ですが、ベランダ栽培ではそうはいきませんよね。

私が気にしているのは「NPK」の比率ぐらいで、青じその場合はN(窒素)の比率が高い普通の市販の「液体肥料」を使っています。

計測器としては「PHメーター」で酸性度を測ったり、「ECメーター」で肥料の濃度をちぇっくしていますが、こんなことはベランダ栽培ではやらないのが普通で(水耕栽培では必需品)、「気持ち多め」に肥料をやることしか出来ないと思います。でも「どの程度が多くてどの程度が少ないのか」ってのもわかりませんよね。

だからその辺は一般的には「様子を見ながら」増減するしか無いんでしょう。

ただし、「うまく育つ」のと「美味しい」のはイコールじゃないんですね。シソは直射日光の下でガンガン育ちますが、それでは「葉はゴワゴワ」になり「表面に毛が生え」て全く美味しくないシソに育つ。そして私がゴールドコーストで経験した「苦味が強い」のは「栄養過多」だというのが最近わかりました。

こうやって考えると「美味しく作る」のは不可能みたいな気がしてきますが、私としては「まずはしっかりした苗にする」のを第一目的と考えていまして、今はまだ20センチぐらいの背丈しかありませんが、40センチぐらいまでにはしっかり育てたい。そしてその後は、直射日光に当てないとか、あえて日陰を選ぶ、肥料も抑えるなどでどんな変化が出るのか見てみようと思います。

とにかくこれから先は「花芽を出させない。出れば摘む」ことに集中しようと思っています。

マレーシアで育てるのが難しいと言われるのは「温度」もあるでしょうが、この「すぐに花芽が出て来る」という点もあると思います。まだ10センチにも満たないのにもう花芽が・・・なんてことが起きるはず。それを放置すればそれで「終わる」。

まとめとしては

◯ 花芽は摘み取る
◯ 人工光を使う

これをしない限り、青じそは大きく育てて「葉を食べる」ことは不可能だということですね。もしそれをせずにちゃんと大きく育って「青じそとして食べられる」としたら、その青じそは「生命本来の育ち方をしていない異常な青シソ」ということになります。

蛇足ですが、青じそ栽培の世界ってかなり奥が深くて、「育てるのは簡単」でも「おいしい紫蘇を作るのは難しい」世界だとのこと。

青じそ生産で有名な地域がありますが、そこの農協では「良い青じその【種】」を厳重に保管していて、「他には出さない」のだそうです。また青じそは「放って置いても増える」と言われていますが、普通に育てた青じそから出来た種がまた発芽してもそれは「美味しくはない」とのこと。ハイブリッドの種子とは違いますが、それに似ているそうで、専業農家は「専用の種子」をつかうとのこと。

つまり「栽培用の種子」は別に作るということで、そのノウハウも絶対に他に出さないそうです。

また育て方も難しくて、育てるのがうまい農家の場合、「市場で名指しで買う業者もいる」とのこと。

紫蘇の香りは油性ですが、葉の裏側にそれが出るんですね。だから収穫するときも拘る農家は「日の出前」に収穫しその香りの元が「蒸発しない」状態を保つと。つまり我々が青じそを使う時に、「洗ったり拭いたり」したら大事な香りを落としているのと同じで、拘るプロは「裏側には絶対に触らない」とのこと。

育てるのは簡単ですが、おいしいシソを作るのはかなり難しい。私がマレーシアで青じそをつくるつもりが無かったのもこの青じそ業界の話を知ってからです。

そして今どうにか育っている我が家の青シソも「たいして美味しくない」。もちろんスーパーで売っている青じその方が美味しい。(笑)

育てる限り諦めずにいろいろ試してみようとは思っていますが・・・・

 
 
 

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