もしも自分が若かったら・・

まぁ、時間だけはいくらでもありますのでいろいろ調べたり妄想したり(笑)するわけですが、やっぱり商人というか中小企業のオヤジというか気になるのはそっち方面でビジネス関係は良く見ています。

思うことは、最近の若い連中って凄いなぁ・・ってこと。

私の若いころは学生で起業するなんてのは聞いたこともないくらいで、私は変人扱いされました。今もそうですが。(笑)

でも今の若い連中は二十代前半みたいな年齢でもどんどん起業するし、外から見ているだけで内容はわかりませんが、私の時代みたいに「欲望のまま」とか「怖いもの知らず」「当たって砕けろ」「やるっきゃない」みたいなアホじゃないのね。また一人で何でも兼任するって感じでもなくて、それぞれのパートの有能な人材を集めて、自分は自分の得意分野に集中するみたいなのが見える。

最初から企業としての体裁を持っていると感じます。

ま、商人の発想とは違うのでしょうが、私がびっくりしたのはやっぱりホリエモンの登場ですかね。あの歳で、あの経験の浅さで、半端じゃなく頭が切れたにしろなんであそこまで出来たのかが不思議で仕方がありませんでした。また彼の参謀も大したもんで、有能な連中を集めていたのだろうとは思いますが、若いなぁと感じたことは「法律で許されていることなら構わずにガンガン行く」というところ。実は私はホリエモンってあまり好きじゃなくて、皆がああいう考え方を持ったら世も末だと思うくらい。

ネットの中を探せばいくらでも情報が出て来るはずですが、やっぱり彼は「普通ではやらないことをやった」と私は見ていて、「慣習を無視した」と思っています。企業家、事業家というより虚業家と言って良いと思っています。だから野球チームを買収しようとしてもストップが掛かるのは当たり前だし、よくぞ止めたと思うくらいだし、スケープゴートのような逮捕劇があったのもそれが理由でしょう。

でも彼にそのキッカケを与えたのはホリエモンほど有名ではありませんが、光通信の重田氏だろうと思っています。彼の出現によって「俺にも出来るかもしれない」と思った若者は多かったはずで、ホリエモンもその一人だろうと。また重田氏は34歳の若さで一部上場を果たし、一時なんと2兆円を超える資産を持ちアメリカのあのフォーブスにもでた凄腕の若者(世界5位の富豪)。当然、彼はその豊かな資産を使いいろいろ考えていただろうし、多くの若者が重田氏のもとに結集したんでしょう。「重田学校」みたいなものもあったのかもしれない。でもま、重田氏もいろいろ言われてきた人で、ホリエモンと通じるところがあるような気もします。

でもどちらにしても凄い若者だったのは間違いがないし、思い出すのは、友人の息子(彼も二十代)が起業した話を聞いても私の時代の起業とは全く違っていて、大手の取引先やベンチャーキャピタルも巻き込んで起業しているのね。でも不思議なのは、その彼は技術者なんだけれど、やっぱり経験がないと難しい経理、総務、その辺の問題をどう乗り越えたのかがわかりません。銀行(投資家)関係から紹介を受けたのかなぁ・・なんて思ったり。

見た目は若者集団に見えますが、実は老練な裏方もしっかり確保しているんでしょうね。投資家もその条件をつけるんでしょう。

それと資金に対する考え方もまるで違っていて、昔は資金が無いなら無いなりに自宅とかアパートの一室から始めたり、親や友人知人に頭を下げて投資、あるいは借金して・・なんていうのが普通だったのが、今の若い連中はちゃんとしたところから資金提供を引き出してやるのね。だから100万円で起業しましたなんて感じじゃなくて、当初から億単位の資金を持っていたり。

ただ私のヨメさんの友人の旦那がこれまた技術者で、独立してかなり立派な企業にしたのがいるんですよ。ところが結局は乗っ取られたのね。そんなことを考えると、若者を食い物にするってわけじゃないんだけれど、「本人は社長のつもりだけれど実は利用されている」ことも多いのかななんて思ったり。その乗っ取られた彼も、株式を自分サイドで51%以上持っていたわけじゃなくて、最初の最初に出資してくれた友人二人の株が知らない内に競合企業の手に渡っていたんですね。親友に裏切られた形になったのだけれど、それがわかってから「どうしよう・・」とゴールドコーストの私になぜか電話が掛かって来て相談されました。

でももうどうしようもないんですね。株の51%以上を他人に握られてから慌ててもどうにもならない。

今の若い連中は当然そんなこともわかったうえで、投資を受けているんでしょうし、もしかしたら時限爆弾が仕掛けられているような会社の立ち上げ方なのかもしれないけれど、それでもそこまで持って行くんだから凄いと思います。

そんなことを考えながら、もし私が20代に戻ったらどうするか?と考えてみたんですよ。

到底自分にはそれほどの頭もないし、人を惹きつける魅力も技術も何もないし、精々右のものを左に動かして手数料を取るようなことしかできない。ただ子供の頃から変人だったおかげでなかなか出てこない販売戦略を考えるのはうまくて、ま、それで生きてきたようなものですが、それとて「奇をてらった作戦」みたいなもので、王道からは外れてる。資金にしても無いし、あってもまるで足りない。企業の体裁を整えるのに小さな事務所を借りるだけでも1千万の金は簡単に吹っ飛ぶ。

私が起業した時は渋谷近くのマンションの一室から立ち上げたんですよ。ところがマンションの住所って「XXXマンションXX号室」ってなっているでしょ。でもそこのところを顧客の新規開拓をするときに随分指摘されました。「マンションでやっているんですか?」って。これじゃまずいと思って、名刺の住所のマンションのところを「ビル」に書き換えて、XXX号室は消しました。(笑)

ま、そんな程度のことから私の仕事人生は始まったのですが、どうも今の若い人はそういうやり方はしない様子。あるいはマンションや自宅を事務所にしても受け入れられる時代になっているのかもしれない。いつの頃からかSOHOが広まりましたし。

今までに雑貨の輸出入にしても工業製品にしても一体どのくらいの商品を扱ったかわからないぐらい。一時期ボルトナットのナット専門の輸出をしていたことがあるんですよ。後にヨメさんと知り合って、ナットの輸出をしていたことがあるんだと話したのですが、彼女は「納豆」だと思っていて、それがわかったのは結婚してからだったりします。(笑)

今思い出すとあれもこれも、よくぞあんなバカなことをやった、手を出したと思うことばかりです。今の私なら絶対にやりません。今の歳になると経験だけはいろいろありますし、欲が昔のようにありませんから、良い話の「雰囲気」を耳にしただけでかなりのことが見えるようになりました。では逆に、「何をするか?」と考えるとビジネスのアイデアなんかまるで今では浮かんできません。(笑)

また「これだ!」と思うのがあったにしても、自分にはたとえ小さくても企業の経営能力がないのがわかっていますので、やるしてもやっぱり販売戦略コンサルという狭い範囲の、自分一人で動く仕事しかできそうもない。

じゃぁ、今、若かったらそうするか?と考えても、今の世の中がどうなっているかさっぱりわかりませんし、ましてや20年以上ゴールドコーストみたいな産業らしい産業もないところでボーーッと生きてきましたから、どうにもなりません。(笑)

でもトレードに関して今と同じ技術を持っているとしたら、ちょっくら大きくチャレンジしてみたいと思ったり。結局、トレード技術があったから私は生き残れているわけで、若いまんまの下手な鉄砲を数打つような仕事のやり方だったら、簡単に消えていったと思っています。また逆に、自分には経営能力もないのが良かったのかもしれず、もし中途半端にうまくいくようだとゴールドコーストにも来なかったろうし、ゴールドコーストでもドツボにはまっていた可能性があります。

今でもたまに話しますが、ゴールドコーストに渡ったのは1991年ですが、もしあのまま日本で仕事を続けていたら「景気の悪いのはもう少し我慢してみよう」なんて絶対に思っていたはずで、どんどん資金もつぎ込んで結局、裸になっていただろうと思います。

オーストラリアに来てからは、まずは市場調査の意味も含めて「(オーストラリアからの)輸出サポート」を始めました。これでオーストラリアには何があって、何が出来て、どんなポテンシャルがあるのか見えてくるだろうと思ったから。でもねぇ、会社を作るときにそれをお願いした日本の大手監査法人から来ていた公認会計士に「やめたほうが良いんじゃないかと・・」と言われたんですよ。(笑)

でもま、取っ掛かりはそんなことでもしないとオーストラリアのことなんかまるで知らないわけですから良いんじゃないかと。でもやっぱり案の定、1年ぐらいでギブアップ。そしてわかったことは「そうそう売れるものをこの国は持っていない」という誰しもが言うことを確認しただけ。もちろんオーストラリアから世界に輸出しているものはいろいろありますが、日本で想像するようにありとあらゆる高品質なものがある国じゃないんですね。鉄鉱石であったり石炭であったり、あるいは牛肉、水産物、様々な農業産品や製品はありますが、当然主だったものは大企業がしっかり押さえているわけで、中小企業はニッチの世界で生きるしか無いんですね。

あるいはオーストラリアの生産者と日本の小売業者を直接つなげるとか。でもま、この国のいい加減さってつくづくよく分かりましたし、良い物があってもそう簡単には扱えないのもわかってきました。まず規格とか納期とかがズサンと言ってもいいくらいに感じまして、「その辺がちゃんと出来るなら売れるかもしれない」みたいな感じでしかありませんでした。魚の輸出を考えた時に、オーストラリアの一次産業省に行って相談をしたのですが、私が考えていたことをするには「船に投資して魚を捕るところから始めないとダメ」なのがわかりました。こちらの漁業は日本のように組織化されていませんし、なかなか思うようにはいきません。力を持った地域ごとの漁業組合も存在しない。

でもニッチでは面白そうなのもあったんですよ。オーストラリアは製造業がアウトの国ですが、住宅関連で「住宅の部品」みたいなもの。例えば「ドアに特化する」とか「ステンドグラス」とか、売れそうなものがないわけでもない。あるいは原料としての皮革製品とか。でも大きく儲けられるようなものでもない。

そもそも私はオーストラリアの永住権を取るために「オーストラリアでの起業計画」を出してます。これはネット関連の事業なのですが、当時はパソコン通信の時代でインターネットなんて誰も知らない時代でしたが、それをやるのがオーストラリアとの約束ですから、それ関連も調べていたんですよ。でも段々とやる気もなくなってきた頃に、突然、インターネットが世に出てきた。

びっくりしましたよ~~。インターネットの凄さにびっくりしたのではなくて、もし私がオーストラリアの永住権を取った約束の事業を始めていたら、一瞬にしてすっ飛んだわけですから。でも世界的な「通信に関わる規制緩和」の波には乗ろうと思っていて、でもネットの方には行かずに「電話」の方へ参入しました。

でもその頃には、自分の力量もわかっていましたし、他国でビジネス展開をするとはどういうことか、こちらの慣習も見えてきていたので、「私みたいなのが真剣にやるべきではない」という判断をしました。ですから思いっきり全力投球もせずに、逃げるときにはいつでも逃げられるような仕事の仕方。(笑)

そして予定通り、競争が激しくなりそうなのが見えてきた時にはさっさと顧客もまとめてそのサービスごと売って撤退。でもこれも正解だったようで、その後、2年もしないうちに同業者は全て消えていきました。ですから「いつでも逃げられるスタンス」が自分には合っているし、ガンガン行こうと思ってもそれだけの能力もないわけですから、次には遊び半分で趣味を活かした「日本からの中古車輸入販売」を始めたり。

ま、そんなことを思い出してみると、私って一体なんだったのかと思います。どうにかジタバタしながら生きてきただけで、「過去にXXXをしていました」とか「私の専門はXXXです」とか、人様に言えるようなことが何もありません。「私はXXXのプロ」だと言えないし、自分自身にも誇れるものなんか何もなくて、ぜーーんぶ中途半端でかなりのレベルまで行ったことなんか何も無い。

だからやっぱり、私は野良犬なんだろうな・・と思うわけです。家を出てからずーっと世間をウロウロしながら食い扶持を探してきただけ。

でもま、オーストラリアに救われたと私は本当にオーストラリアに感謝していて、二人の子どもたちも私が考えていたよりもうまく育ってくれましたし、夫婦二人なら死ぬまで好きなことをしても(食い潰すなら)どうにかなる資産構築もできた。文句も後悔も一切なくて、オーストラリアと、そして私達を見守ってくれているであろう「見えない存在」に心から感謝するのみ。

でもやっぱりそれで良いとは思えないわけで(笑)、マレーシアに行ったら第二ランド、いや第三ラウンドか。もしかするとこれが最終ラウンドだろうと思うけれど、上を向いて挑戦し続けようと思っています。そして今まで生きてこれたのは、生きたのではなく「生かされた」のが実感としてありますので、この恩をどうにか世間に返さないとならないと思ったり。ですから「ご褒美人生」なんて私にはありません。ご褒美をもらうようなことは一切してこなかったし。(笑)

そしてトラウマにずーっと付きまとわれた人生で、「俺はダメな人間」「生きている価値もない」「生きることは悲しいことだ」とこんなジジーになるまで悩み続けた人生に終止符も打ちたいのです。「生まれてよかった・・」と心の底から思ってみたい。

 
 
 

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