世界に広がる日本のパン粉

私は海外の動画レシピを見て勉強することが多いんですが、面白いのは「日本のパン粉」を使うケースが非常に多いということ。

パン粉って英語でいうと「Bread Crumbs」ですが、なぜ彼らがわざわざ「Panko」という言葉を使うのか非常に不思議でした。またスーパーに行っても「Panko」と表示されたものが売られている。

PankoとBread Crumbsと違うの?って思っていましたが、自分で料理をするようになって随分違いがあるのがわかりました。そして適材適所ってのがあるんだろうと。

スーパーでよく買う魚でBasaという魚があります。これはDoryと書かれていることも多いですがメコン川周辺で養殖され世界中に輸出されている「ナマズ」。日本でも白身のフライとして多用されているとのことですし、マレーシアでも普通に売っているのを何度か見ました。

で、安いんですねぇ、これ。スーパーの安売りって週ごとに変わるようですが、月に2週間ぐらいは半額セールで売っていることが多く、1キロ500円ぐらい。かな~~り大きな切り身を3枚買っても500円以下で、そしてクセもなく、私は昔からかなりお世話になっています。

調理法としては私は「フライ」が一番好きで、外でFish&Chipsを食べるときもこのBASAを選ぶことが多いのですが、店で一番安いのがたいていこれ(笑)。あるいはニュージーランドから来ているHOKI。下手に魚のクセがないので食べやすくて良いと思ってます。

Basa。

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ところがですね、家でフライを作るとなんか違和感があるんですよ。元々クセがないのですが、なんだかフライの衣を食べているような魚がまるで前面に出てこない変な感じ。

これって自分の調理法が悪いのだろうと思っていたのですが、ある日、気が付きました。これってパン粉の違いだと。

我が家では日本食材店でもどこでも売っている「パン粉あるいはPanko」をいつも使うのですが、こればかりで、いわゆる欧米人が使うBread Crumbsは家では使いません。

この違和感ってBASAだけではなくてエビフライでも感じることがありました。

ということで、Bread Crumbsを使って揚げてみました。そうしたらやっぱりこの方が美味しい。

全粒粉で作ったBread Crumbsで揚げたBASA。これで切り身二枚分でコストは300円ぐらい。\(^o^)/

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Bread Crumbsですとパリッと感がでるんですね。サクサクを通り越している。大袈裟に言うと固さがある。でもこれが良いのだろうと思いました。

英語情報でPankoとBread Crumbsがどう違うかというのは検索するとごっそり出てきますが、Pankoの特徴はこう説明されています。

◯ Airy (フワフワ)
◯ Large (大きい)
◯ Slivery (削られたような尖ったあのパン粉独特の形状)
◯ Less Density (詰まっていない、重くない)

したがって、口当たりが軽くサクサクし、サクサク感はBread Crumbsより長持ちすると。

ということはBread Crumbsを日本人の感覚で言うと、重くて硬いってことになるはずですが、これはこれで合う料理があるんだろうと思いました。特にトンカツとパン粉の相性って抜群で、トンカツを粒子状の固めで重いBread Crumbsで揚げたら美味しくない。またエビフライもそう。

ところが柔らかい魚とか小ぶりのエビの場合、パン粉が前面に出すぎるんじゃないかと。そういうケースはサクサクというよりカリカリ感があるBread Crumbsを薄めに使ったほうが素材が前に出てくると感じます。

ま、美味しい美味しくないは主観の世界ですが、これは使い分けたほうが調理に幅が出るし、やっぱり適材適所があると思いました。

また調べていて面白いと思ったのは

◯ パン粉は耳(焼けた部分)を使わない
◯ そもそも製造時に焼かない

ということ。小麦粉を水で練ってイースト菌で発酵させてという手順は同じですが、パン粉はオーブンで焼かないんですね。だから外側の耳(Crust)が出来ない。ではどうするかというと電流を通して「熱して」作る。出来上がりは耳のないパンで、それを粉砕する。

焼き(?)上がりはこんな感じ。

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日本はこんなものを開発したんですねぇ。でも日本のパン粉の歴史は浅くて、1940年代に出来たそうです。それまではパン粉がなかったということではなくて、ある時期にこういう「日本のパン粉」を日本に合うように作り出したんですね。ということは戦前は欧米風のフライを食べていたんでしょう。面白いですね。

私は日本のパン粉のこともよく知りませんし、生パン粉と普通のパン粉があるのを知っている程度。これは「日本農林規格(JAS規格)では、“(乾燥)パン粉は水分が14%以下になるように乾燥したものをいう。生パン粉は乾燥しないものをいう、と定義づけられている」とのこと。

でも色々種類があるんでしょうか?

その点、Bread Crumbsは今回使ったもののように「全粒粉」が使われていて色も茶色くツブツブがしっかりわかるものなど、色々ありますね。またこれの代わりにアーモンドやココナッツを使ったり、いろいろ混ぜたり、そのバリエーションは無限にあるのが面白いと思いました。

でもバリエーションはいろいろあっても日本のパン粉みたいなのはないんですね。これも面白い。

ハンバーグを考えてみるとすぐわかりますが、パン粉だから良いのであって(お麩はもっと良いと思いますが)欧米のBread Crumbsを使うとかなり感じの違うものが出来そうですね。美味しくなさそう。(笑)

ああ、そういえばハンバーグですが、日本のハンバーグみたいなハンバーグを世界でも作っているのかと思っていましたが、あれもまた日本独自のものなんですね。合い挽きミンチや玉ねぎを入れたり、そしてパン粉や牛乳を入れたり。欧米のハンバーグレシピを見ているとその手のハンバーグって一切出てこないですね。

じゃぁ、日本のハンバーグみたいなのは食べないのかというとそうじゃなくて、ミートローフがそれなのね。つまりミートローフの作り方で作って、それをハンバーグの形状にして焼いたのが「日本のハンバーグ」。肉を食べる歴史が長い国で、もし日本流のハンバーグを出したら「詐欺だ」と客は思うかもですね。100%ビーフが普通ですから。

では彼らのハンバーグのレシピを見ていると、ステーキに限りなく近いのを感じます。そして肉は混ぜても絶対に捏ねないのね。ボソボソの感触があるはずですが、「肉を食べている」感じがして良いのだろうと思いました。つまりハンバーグの発祥は「安い部位を美味しく食べる」ところからスタートしたんだろうと。

肉の勉強をするときに「肉の解体方法」は大事なポイントですが、ミンチとは何かってのがわかって面白いと思います。ミンチじゃないとどうにもならない部位がやっぱり多く出てくるし、日本人がよくやる「良い肉を使ってミンチを作る」というのは非常に稀。ですからハンバーグは「Poorman’s steak」の意味合いが強く、ファーストフードや家で気軽に食べる料理ではあっても、レストランでの「お食事」では食べない料理。でも日本ではハンバーグを「高級料理」にまで昇華させたのも面白い。

日本人にとってのミンチって「やすい肉」では決して無くて、「形状の違う肉」でしかなくて、高級料理にも普通に使われるところに大きな違いがあると思いました。

オーストラリアのミンチは牛も豚も美味しくない理由がよくわかるような気がします。(笑)

ついでに思い出したことを書いておきますが、プロがミンチを肉屋に頼むときには部位や脂の%を指定するんだそうですね。より美味しい「餃子」を作ろうと思って色々調べていた時に、プロが頼む豚のミンチの脂分は40-50%のところが多いと知りびっくりしたことがあります。そんな豚ミンチを普通の人は絶対に買いませんし、もしオーストラリアでそんなことをしたら大騒ぎになるんじゃないかと。(笑)

ジューシーさと脂肪分とは大いに関係があるわけで、我々がプロの味になかなか近づけないのもそういう背景があるのかもしれないと思ったり。

小籠包もそうで、あのスープはスープとして作ってゼラチンで固めてから餡と一緒に包むわけですが、あれは「豚皮」から作るのが普通で、「スープをゼラチンで固めている」のではなくて「豚のゼラチンそのものを使っている」とわかって、素人のアプローチ方法ではやっぱりプロの味は出るはずがないと痛感したことがありました。

料理って奥が深いし、そしてプロと素人との間に大きな壁があるのが面白いと思いました。調理法というより素材の選び方からしてまるで違うって不思議なくらいです。プロは良い物を使うって意味じゃなくて、駅前の安い中華料理屋がどうしてあんな美味しい餃子を作れるのか不思議に思うことは多くありますが、素人考えとしてはやっぱり良い物を使っているんだろうぐらいのことしか思い浮かびませんが、事実はまるで違うところにあったり、そんなことがわかってくるのも調理実験の面白さです。

参考資料:

アメリカの(日本の)Panko製造会社の動画。

Basaの養殖業者の動画。

 
 
 

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