【稼ぐこと】と【運用する】のとは違う

前の日記にかなり強烈なことを書きましたが、あれが私の本音。

良い機会ですから、もう少し付け足します。

「早期退職」「海外脱出」を考える方の多くはそれなりの資産を持つことが出来た人が多いのはネットを見ていてもわかりますが、ここで大事なのは

○ その資産を作れた技術をそのまま使い続けること

だと思っています。もちろんそのつもりだという方も多いと思うのですが、人間って面白いもので「器」があるんですね。例えば100万円の資金を1000万にした。あるいは1億にしたという人はそれなりの自信があるはず。でもその先は?

10万円をポケットに入れて渋谷のハチ公前で1時間時間潰すのは平気でも、もし数億円をカバンに入れていたと仮定したら、それが自分の金だろうと他人の金だろうと、かなりビビるはずなんですね。それが普通だと思うのですが、100万円を10倍にすることが出来ても、同じように10倍ゲームがその後も続くかというと、ビビリが必ず入ってくる。どこかで止まる。これはその人の「器」に関係していると私は考えています。

でも世の中には変わった人も居て、お金をお金と思っていないんじゃないかと思う人がいます。メディアでたまに紹介される株式投資で11桁を作った青年ですが、彼を見ているとどこか違う、変わっているのをすぐに感じました。お金をお金と思っていない感じ。まさにゲーム感覚なんですね。こういうタイプの人って結構いるようで、このブログの読者にも似ていると思う方がいらっしゃいます。ゲーム感覚なんていうと失礼だけれど、何千万儲けても大喜びするわけでもなく、もっと大きな損失を出してもケロっとしてる。こういう不思議な人が世の中には存在するわけで、私としてはこういう人が大化けして凄いことになるんだろうと思うわけです。

でも凡人はそうじゃなくて、100万円の注文は平気で出せても、億単位の注文を出すときにはビビる、出せないのが普通。だからどうしても儲けるのがうまくてもどこかで頭打ちになるんですね。

でもそれなりの資産になったら、次はそれを運用して「楽をしよう」と考える。そしてそれが「早期退職」「海外脱出」という風に考えが進むのだろうと私は想像しています。

でも自分が資産を作り上げた手法と、その資産を運用する手法はまるで違うんですね。全く違う仕事に転職するのと同じぐらい違うと私は考えているのですが、あれだけ稼げたのだから運用は簡単だろうと思ったら大間違いだし、運用を始めたらそれは超初心者と同じだと考えるべきだと思うんです。それプラス

○ インフレ分を稼がなければならない
○ 大きなお金を動かすのにビビってはならない

という大きな壁がある。

私はこんなわけのわからん生活を続けていますから、似たような境遇の人と話をする機会は多いのですが、なぜか「インフレ分」を真剣に考えている人に会ったことがないんです。非常に不思議。中には「税金」さえも計算に入れない人もいるんですね。

前の日記に書きましたが「運用で食うのは無理」と書いたのはそこなんです。資産を作る過程においては資金効率はかなり高い人が普通なんですね。株で言えば信用取引、FXで言えばレバレッジ、先物だとすれば証拠金で売買できるわけで、持っている資金の数倍、あるいは数十倍の取引をして稼ぐ。でも金額が大きくなると同じようなことは「心理的」に難しくなる。ですから資産運用の場合、当然1倍のレバレッジであるし、ましてや借金(レバレッジは借金そのもの)はしない。そして資産運用の場合はかなり破綻リスクの少ない投資をするのが普通。

つまりですね、年間3-4%のインフレ分を上乗せし、生活費分は4%とし、そして運用益に30%の税金が掛かるとしたら、一体どれほどのパフォーマンスを叩きださなければならないのか。仮にインフレと生活費で7%とし、税金が30%だとすれば、利回りは税込みで10%は無いと駄目ってことですよね。でも毎年確実に、リスクをできるだけ取らず、10%で回し続けることが可能なのかどうか。また若い時、子供が小さい時には小さなマンションに住み、ポンコツカローラでも良いですが、歳を取り、子供も大きくなってくると生活費がどんどん上がるんですね。教育費だけでも半端じゃない。子供はかつては近くの公園で喜んで遊んでいたのが、「パパ、ハワイに連れて行ってよー」とか「将来のためにも世界を見たい」「留学したい」と言い出す時が必ず来る。(ちなみに我が家では子供の学費(学校への支払い)だけで小学校と高校では8倍の違いがありました。インフレ含む。また大学は別次元の金が掛かりました。)(ですからこの10%とは、そういう年月とともに生活費が上がることを考慮しない場合でも10%が必要だということ)

そりゃ債権だって10%以上に回るものはいくらでもありますから、理論的には可能。でもリスクがどんどん高くなる。結局利回りってのは破綻リスクも計算に入れるとほとんどのものは同じってことなんですよね。でもリスクの読み方によって差が出てくるわけで、そのギャップを利益にするのがプロ。でもそんなことは凡人には出来ない。せいぜいポートフォリオを組んでリスク分散させるのが関の山で、でもそういう風にすると利回り10%なんてまず絶対に無理。

随分前にテレビだったかネットの中だったか、あるファイナンシャルプランナーが老後の資金づくりに関して言っていたことをここで紹介したことがあります。彼は日本では利回りが低いので海外物に投資するべきだと言っていた。日本より2-3%利回りが高いものはいくらでもあると言うんですね。ま、それはそれで良いのですが、彼が一番最後に何を言ったかというと、「為替差損」「破綻リスク」もあるかもしれないから、30%程度の目減りは覚悟しろと。

こいつ、馬鹿かと思いましたよ。退職もして定収入もなくなって、年金だけじゃ心もとないと考える人たちに、30%程度の目減りを覚悟しろと言うんですから。

でも投資ってそんなもんなんですね。彼の言うことは間違えていない。でもそれをどうしてジジババに薦めるのか?ってところが異常。

ではまだ若く子供も小さい年代で「早期退職」「海外脱出」を考える年代だったらそのリスクは取れるのかどうか。

私は取れない、取るべきではないと思うんです。なぜ?それはその資金運用が唯一の飯の種だから。

ここで上に書いたことに繋がってくるんですね。そもそも資金運用は初心者で、それしか収入がなくて、狙う利回りは10%以上で、大きなお金を動かすのはビビる。これじゃ三重苦、四重苦みたいなもので、リスクが高過ぎると私は思うんです。だから私の結論として「資産運用では【絶対に】食えない」というふうになるわけです。

もし海外に出ていて、子供はまだ小さいわ。失業保険もない、生活保護もない、健康保険もない(民間のものは持病は対象外)、子どもの教育費援助もない、こういう八方ふさがりの状態で、なおかつ定住権、永住権もなく、そして、そして就労の権利もないとなれば、その国から出るしかなくなることが簡単に起こるわけです。子育てだけでも簡単じゃないのはいつも書いていますが、それが順調に行っていても稼ぎがおかしくなれば全てパー。

ですからそういう場合、何が起こるかというと多くの人は資金、元金、種籾に手を付けだすんですね。しょうがないじゃんと誰しもが思う。でもこれをやったら麻薬に手を出すのと同じで、あとは坂道を転げるように落ちていく。これが「海外組」に起きている「普通のこと」だと私は思っています。

でも元々資産なんかない、自分で働くしか無い人たちにはこういう問題は起きないんですね。

「働く」というのは月給だろうと二週間に一度のペイだろうと時間給だろうと同じことで、つまり「日々の食べる糧を手に入れている」ということで、やっぱりこれに勝るものなんかない、というのが私の考え方です。これに資産運用が加わればかなり面白いことになる。あるいは資産運用が元だとしても「働く」ことが加われば面白いことになる。でも基本はどこでもどんな時代でも「日々の糧を稼ぐ」。これしか世の中の変化には対応できない。(でも日々の糧を稼ぐのも簡単ではない)

単純な理屈ですが、なぜかこれを理解できずに、あるいは見て見ぬふりをして「小金」と「夢」とそして「大きすぎる期待」を持って海外に出ていく人たちが後を絶たない。

ですから、「早期退職」「海外脱出」を考え、それなりに資産を作った人は、それを海外に出ても続ける努力が必要であって、「遊んで暮らす」なんてのは退職したジジババならいざしらず、小さな子供を持って「一生」「投資」で遊んで暮らすなんて夢でしか無いと思うし、私はそれを長年続けることが出来た人を見たことがありません。いや、居ることは居ます。(笑)

収入が「資産運用」しかないとしたら、それで「海外脱出」は自殺行為だと思います。でも面白いですよね。「金持ちは海外に出て優雅に暮らす」という変なイメージが出来ている。でもあれって「映画か小説の中の話」だと私は思っています。

でもねぇ、ハワイやアメリカ西海岸に行くと不思議な人たちがいくらでもいるのね。でもああいう人達は持ってる資金の規模が違う。だからたとえ半分に目減りしようがまだ大金持ちの部類なんだろう(笑)と私は思っていて、凡人が真似するような話じゃないのね。そして遊んでいるように見えても、実は不動産投資とか他の投資でプロ級の腕を持っている人だと私は想像しています。上辺だけじゃ何もわからないですよね。

だからしっかり頑張ってそれなりの資産を作った人は海外に出てもそれを続ける必要があると思います。これは相場に限らずどんな職種でも同じで、それだけ稼げたのだから海外でも通用するはずだとトライを続けるべきで、「俺は資産運用で食うことに決めたのだ」なんて意固地にならないほうが良いかもですね。もしこのままじゃうまくないというのが見えてきた時に慌てても遅いのが普通ですし。収入は「運用益」と「日々の糧を稼ぐ」の二本立て。これに勝るものはないはずで、投資先のリスクだけを考えるのではなくて、自分の「生き方としてのリスク」そのものをしっかり考えるのが「早期退職」「海外脱出」を成功させ、それを持続するためのMustだと思います。

でも親の遺産じゃ、不動産を売って資産を手にした人は・・・・・、ま、頑張ってくださいとしか言い様がない。

そして「日々の糧を稼げる環境」がその国にないとこれまた難しいわけで、「就労権利がない」なんてのはお話しにならないと思います。また何があっても追い出されることは無いように、「永住権は必須」となるわけです。自分は「定住」するつもりでも「その国の政府はその許可を出していない」ってとんでもなく恐ろしいことであるのは自覚する必要があるんじゃないでしょうか。もし自分はそれでも構わないと思うのは良いにしろ、では子供は?

以上のことは、「人生の一時期、楽しい思いが出来ればそれで良い」という人向けではなくて、「早期退職」して「海外脱出」をし、「その地に根付く」つもりの方々に書いています。もちろんロングステイは関係なし。

しかし、こういうことを考えても、いかにロングステイって恵まれた立場、恵まれた環境にあるのかってわかりますよね。

 

 
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