駐在組ってややこしい

前の日記で移住とロングステイの違いとか書きましたが、その中で駐在組もまた特別な人たちで結構ややこしいんですね。

日本ではどんな役職だか知りませんが、大体海外に出ると「支社長」「支店長」あるいは「部長」クラスが多い。だから現地では結構ちやほやされるし、本人も会社の看板を背負っているだけじゃなくて中には「日本代表」みたいに思っている人もいるのね。だから仕事以外の付き合いでも「主導権」を取ろうとする人が多いと感じます。そして我々永住組を「どこの馬の骨だかわからない連中」と蔑むのね。

前の日記のコメントに書いたのですが、かなり昔ですがゴールドコーストでも結構駐在組と永住組と見えない確執があって、お互いの交流ってあまりありませんでした。でも当時でも駐在組が少ないゴールドコーストですから、大都市みたいなややこしいことは耳には入ってきませんが、永住組を下に見ていると感じることはしょっちゅうありました。こちらの日本商工会も永住組の現地企業は無視されて入会できませんでしたし。(今は知りません)

今、かなり前ですがあるホテルの中の日本料理屋で見た光景を思い出しました。スーツを着た日本人がかなりの人数、30人くらいかなぁ、集まって会食をしていたんですよ。こういうのってゴールドコーストではかなり珍しいですから一体何があったんだろうと観察していました。するとその中に知っている顔がチラホラ見えたので、これは「旅行関係者」だというのがわかった。

あとで知り合いに聞いてみると、シドニーからある大手旅行会社の「支社長」が来たので旅行業者が集まって歓迎パーティをしていたとのこと。この大手旅行会社の支社長ってのは天皇と同じなんですね。まぁ皆さんへつらって凄いんです。現地のツアー会社とか結構大きな土産物屋のオーナーでも腰を低くしてペコペコする。そりゃ当たり前で、その天皇の判断一つで仕事から外されたり、ごっそり大型観光バスで旅行者を送ってくたりするわけですから。

そしてディープな話ですが、ウソか本当かは知りませんが、裏で上納金を出すんだそうです。現金は渡しませんがクレジットカードを渡す。それは毎月3000ドル以内で・・・・・・という感じ。これは大手の土産物屋から聞いた話で、本当か嘘かはわかりません。またそれが事実でどこでも横行しているのか、今でもそれが行われているのかはわからず。話だけね。でも満更ウソでもなさそうだというのは、今のゴールドコーストは日本人観光客が激減していますが、20数年前は凄かったんですよ。まだバブルの余波もあって、高級時計を扱っている友人から聞いた話しですが、日本人客がショーケースの中を見ながら考えているので、どれかお出ししましょうか?と聞いたら、これ一列全部くれと言われたと。そんな時代ですから、観光客をどこにどれだけ送るかの決定権あるいは影響力を持っている人は天皇扱い。

またそもそも観光業界自体がリベートで成り立っている集団で、客を連れて行くと店はバックマージンを出すのが当たり前で、それが会社に直接入る場合もあれば、それとは別にガイドにもちょっと握らすなんてのは普通。でもこれを否定したら死活問題になるので、どこでも多かれ少なかれやっていました。また現金は渡さないにしてもたまには高級中華をガイドにごちそうしたりなんてのは普通のこと。私の友人には土産物屋やガイドが結構いましたからその辺はいつも目にしていました。でも今は日本人観光客が激減していますからかなり様子は変わっているはず。友人のガイドもそれだけじゃ食えないと嘆いています。

権力を持つと人間がどう変わるかなんてのは簡単に想像がつくわけで、そういう人達と地元で地べたを這いずりまわって生きている人達と話が合うわけがないんですね。それもまた面白いのは、そういう人達の奥さんも同じ立場を取る。どちらかというとこれの方が酷くて、まぁ、男性ってのはピラミッド社会の中に生きていますから権力があろうとなかろうとどう行動すべきかってのはそこそこわかっているわけですが、奥さんはそれがわからないのかもしれない。

奥さん連中の中で序列がはっきり決まるのね。

同じ会社から派遣されていて、支社長とその部下となれば、そりゃ支社長の奥様をヨイショするのは当たり前で、その奥様も部下の奥さんを自分の部下のように使う。集まりでも席順はちゃんと決まっていて、新参者が上座にでも座ろうものなら小言を言われ、チクチクやられると。

私の友人で板前の奥さん、うちのヨメサンの親友ですが、絶対に日本人会には入らないと言っていたのが居ます。彼らはゴールドコーストに来る前にメルボルンで和食店を経営していたのですが、その頃はメルボルンの日本人会に入っていた。そして奥様方の非公式な集まり、パーティに参加した時のこと。

「板前ふぜいの女房が来てる」と言われたそうです。

あのことは一生忘れないと涙を流しながら話していたのを覚えています。だから日本人会には絶対に入らないと。当時、日本人会の理事をしていた私ですが、万年貧乏組織ですからとにかく会員を増やそうという運動をしていたんです。会費目当てね。でもその友人の奥さんは絶対にウンとは言ってくれませんでした。当時、婦人部にも女帝と呼ばれる人もいましたが、ゴールドコーストは駐在組が力を持つことはなくて、その女帝も永住組でしたし、さほどひどい話は聞こえてきませんでした。

同じ会社の上司部下の関係もさることながら、企業間格差もあるんですね。日本では大会社と下請けの関係で両方共海外に出ているケース。これも下請けはどこへ行っても下請けなんですね。だから奥さん仲間の中でもそれが序列に関係してくる。でも駐在組の奥さん連中は、嫌だと思ってもそういう連中とは付き合わない、誘われても断るのは難しいですから大変だろうと思います。精神的にやられてしまう人もそれなりにいるようで、精神科医に掛かる人もいると聞きました。

私自身も面白く無いと思ったことはありまして、偉そうに指示を出すが如く能書きを垂れる駐在組に「俺と話すときは背中にしょってる看板をおろして話せ」と心の中で良く言ったもんです。(笑)

うちのヨメサンが日本人恐怖症で、日本人会はもちろんマレーシアに行ってもクアラルンプールの日本人会館にさえ近寄りたくないと言いますが、長い間にはいろいろ起こるんですね。

また駐在組は駐在組で、日本本社とのややこしい関係がある話も聞きました。

私はなぜか駐在組の友人が結構いたのですが(若い人はまともな人が多くてさほど問題がないのね)、その中に日本からたった一人派遣されて、でも職種としてはかなり真面目な堅い職種で、現地の提携会社の社員として働いていたのがいます。これ以上真面目な奴がいるのかというほど真面目で、また仕事も半端じゃなく出来て、サラリーマンの鏡みたいなのがいたんですよ。

その彼が私に困った困ったと言うんですわ。日本から上司が来ると。何が困ったのか聞いてびっくり。その会社では日本から上司が来ると、あるコンドミニアムの最上階プール付きペントハウスを借りて内輪のパーティをするのが恒例なんだそうですが、なんとストリッパーを呼ばないとならないと。それもただのストリッパーではなくて男女ペアのストリッパー。何を見せるのかは想像する通り。それの手配をしないとならないのと、その上司のために女性も手当しないとならないっていうんですよ。

どうしようと私に相談されてもそんなことを真面目(なフリして)に生きている私が知っているわけもない。

彼が言うには、彼が赴任してきた時に、前任者からちゃんとそのノウハウも受け継いだと言うんです。でも自分はやったことがないし出来ないと。私にはどうしようもないし、私の知り合いに夜の世界で働いているレバノン人がいましたので聞こうかと思ったのですが、私としても関係したくないわけで、頑張れよ~としか言えませんでした。

でもその後どうなったのかは知りません。そんなこと聞くに聞けませんから。彼も一切その後、話題に出しませんでした。

ま、こんな苦労が駐在組にもあるようで、本で読んだのかなぁ。シドニー駐在の人ですが、日本から来るお偉いさんが「コアラを見たい」と連絡をしてきたそうで、その奥さんは車を飛ばして、どこかにコアラがいないか探しまわったと。コアラなんて動物園でもテーマパークでもいるじゃないかと思いますが、そういうところへ日本のお偉いさんを連れて行くわけにはいかないんですね。観光客と一緒に並んで・・・ってのはうまくないわけで、どこか自然の森にコアラが寝ているのを観察するみたいなのじゃないとマズイってこと。

こんな話は昔話で今はどうなっているのかわかりませんし、他の都市ではまた違うのでしょう。そして一般論としてはそういう上下関係が好きな年代ってあるわけで、若い人たちにはその傾向は少なかったと思います。でも馬鹿にされまいと背伸びしているのが見えて微笑ましいと思ったことは何度かあります。(笑)

それと駐在組でも様々な職種があるわけで、そういう意味ではマレーシアってちょっと違うと感じます。これはブログを見てもすぐわかりますが、普通の人達が多いのね。ホワイトカラー、ブルーカラーの違いもあるんでしょう。同じ駐在組のブログでもシンガポール在住の人のブログを見ると、いかにもエリートサラリーマンっぽいのが多いですよね。香港もそう。どこぞの奥様みたいな人のブログが多い。でもマレーシア在住の駐在組にはそういうところは見えないので私は好感を持ってます。(笑)

でもクアラルンプールでのことですが、今は無くなったはずですがブキビンタンのホテルの中にある和食店に行ったんです。おまかせで一人15000円ぐらいの店。私達はそれを頼んだのですが、やっぱり寿司カウンターで好きなものを食べたら凄い料金になるはず。その店にはお座敷もあったんですが、小さい店ですからそこの客が何を注文しているかもわかるんですよ。そこにいたのは30代後半ぐらいの日本人の4人家族。子供も小さいのですが、常連であるのはすぐにわかりました。きっと駐在組でしょう。

するとその家族がガンガンお好みで頼むんですね。おお~~~~っと思って観察していたのですが(笑)、きっと小さな子供を含む4人で5,6万は楽に使ったはず。

またスターヒルギャラリーの中にある、えーとなんていう店でしたっけ、ああ、権兵衛だ。その店に行った時もびっくりしました。高いなんてもんじゃないのね。最初は「刺し身は結構安いじゃん」なんて思ったら、なんと一人前じゃなくて刺し身一枚の値段だったり。(笑)

お酒も日本酒がずら~~~~っと並んでいて、日本酒好きの我々は嬉しかったんですが、頼める料金じゃないんですよ。一升瓶、ウン万円なんてのがずら~~~ですから。あの時は確か一番安い一升瓶を頼んでボトルキープしてもらいましたが、食べ物も高いので、炉端焼きコーナーに座ったのですが、安いものばかり選んで食べていました。でもヨメサンがキンキの干し物を見つけまして、「わーーーー、キンキだーー、珍しい~~~、食べたいなぁ~~~」と言っていたのですが、私は聞こえないふり(笑)。多分、キンキの干物、一枚6000円ぐらいだったような・・。

そんな店でもスーツを着た日本人達がワイワイ酒盛りをしているのを見て、やっぱり駐在組は凄いと思いましたっけ。

あの時、我々はどうしたかというと、伊勢丹専門でした。伊勢丹の品揃えを見て腰を抜かすぐらいびっくりしまして、天国だと思いました。ゴールドコーストでは想像もできないくらい凄かった。ヨメサンは「ここに住みたい」と言ったくらい(笑)。でも面白いもんで、その旅行時はマンダリンホテルに泊まっていたのですが、ホテルで日本人夫婦と知り合い、一緒に食事に行ったり歓談する機会があったんですが、彼らが「伊勢丹を見てびっくりしたでしょ?」と言うので我々は「うんうん、凄い」と答えたのですが、彼らは逆の意味で言っていたんですね。あんなものしかないという意味。それがわかった瞬間、我々は黙りこくりました。(笑)

伊勢丹でいろいろ買ってきて、ホテルで二人だけの祝杯を上げたのですが、あれはご馳走でした。

その時の写真。あ、違う。これ権兵衛の写真だ。この程度のものを食べるのが値段的に精一杯で、でも嬉しかった~~~。

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