海外で命の次に大切な物

何日か前の日記で「海外での子育て」に関して書きました。

このことに関しては私はいつも辛口で書くのですが、これを書くと「裏」がかなり盛り上がります。メールとかコメントで様々な意見が寄せられるのですが、できることならそれを表でしっかり議論したいと思うのですが、こういう内容ってなかなか書きづらいですからそれも難しいんですね。私みたいに偉そうに口に出す人って少ないですし。(笑)

でも本当に大事な問題だと思うんですよ。

海外で命に次に大切な物は何かを考えるのは難しくなくて、それは我々日本人が日本に住んでいて、もし「無かったら困るもの」を考えればすぐわかるんですね。

お金だとか愛だとか家族だとかそういうことじゃなくて、もしそれらがあったとしても、「あるもの」がないとどうにもならないってのがあるでしょ?

それは簡単で「滞在ビザ」なんですね。日本人で言えれば、日本国籍。外国人だとすれば永住権。これが無いと、ある日ある時、「国外退去」を命じられることがある。

想像してみてくださいな。我々日本に住んでいて、ある時、国外退去を命じられたらどうするか?こんな恐ろしいことはないですよね。会社が潰れたとか、病気や怪我で仕事をやめないとならなくなったら滞在許可がもらえず、国外退去なんてことが起きたらどうします?

でも普通の日本人ならそんなことは起こりえない。だって日本人ですから。

では外国人だったら?永住権が無い限りはいつ何時追い出されてもしょうがないってことですよね。そしてそれは我々日本人が外国に滞在する場合でも同じってこと。

だからその国の国籍なり永住権を持っていない限り、いつかは日本に帰らなければならないことも起きるということを想定しておかなくてはならない。

簡単でしょ?

だから子供を帯同する場合も、日本に帰らなければならないことを想定して育てるのは当たり前だってこと。つまり、子供を外人に育ててしまったら大変なことになるってこと。私がいつも口を酸っぱくして言っていることはそれだけなんですよ。

世界のどこででも通用する人間に育てたいというのは多くの親の願いだと思うのですが、もしそういう風に育ったところで外国の滞在許可をもたない限り、日本に軸足をおかざるを得ないってこと。でももし子供が日本を祖国と思わないような、ある外国でしか生きられないような、日本に順応できないような大人になったら悲劇だと思いません?

だから海外での子育てを考える時に、「海外で永住権や国籍を持っている人」の子育てを参考にしたらうまくないってことなんですね。私もそうですし、またこの件に良くコメントくれる「ちりとてさん」という方もオーストラリアの永住権を持っています。子どもたちも同じ。つまり、子どもたちがオーストラリア人になることを選ぶことも「可能」だってことです。また親も子供がそれを選んでも良い、あるいは仕方がないと考えているってこと。あるいは親子共々、日本人をやめようと考える家族も多くいるんですね。これはアメリカの日系人を見ると良くわかると思います。

ある学校で多くの日本人がいたとしても、滞在許可に関しては色々ですよね。留学もいれば、日本からの赴任家族もいれば、地元で起業した人、地元で雇われた人の家族、そして地元の人と結婚、あるいは永住権を持つ、国籍を持つ家族の子女がいる。

見た感じではみな同じ日本人ですが、滞在許可で分けてみると全く違うんですね。そこに気が付かないで、同じように育てたら大変なことが起きるかもしれないと「親が想像すること」が大事だと思うんですよ。

でもそれなりに多くの人と話をしていてわかることは、「大変なこと」ってそもそもなんだかわかっていないのね。

これは自分が日本人だから、海外のどこで子供を育てても、自分の子供は日本人に育つと「信じてる」のね。あるいは、子供が望めばどんな国でもそこに滞在し、生活できると簡単に考えている。滞在ビザをナメていると言うべきでしょうか。

私がこのブログでいつも書いていることは、「子供はその土地の人間に限りなく近く育つ」ってこと。つまり、放任したら「子供は日本人にはならない」ってこと。また放任せずにかなり親が真剣に子供を日本人として育てても、子供はそれから逃れようとする時が来る可能性が大いにあるってこと。それだけなんですよ。

では日本人とはなにか?ってことになりますが、それを考える時に、いつか日本に帰らなければならない時が来ても、全く問題なく日本で生活できる子供ってことかもしれませんね。

でもそれって最低限必要なことであるけれど、海外で育つと日本に適応できない子供になる可能性も高いってこと。ましてやアイデンティティだの日本人としての言語とか教養だのとなるとハードルはますます高くなる。日本で育った日本人が日本人らしいのと同じように、海外で育つとその地の人たちに限りなく子供は近づいていくってこと。そして子供にとってはそれが一番自然で楽だということ。親は「海外のどこでも生きていけるような大人に」と望んでも、子供は日本ではない他のA、あるいはBという国を選ぶだけかもしれない。

日本人が日本人じゃなくなるなんて想像できないかもしれませんが、海外にお子さんを連れて出ている親御さんはその辺をしっかり考えるべきだと思います。

もし日本に帰らないことを子供が選んでも良いと思うのであれば、その地の永住権を手に入れてやるのは親の責任だと思います。それはそれで、子供がいつか考える事だ、なんてのは親の責任放棄だと私は思っています。また親がなんらかの滞在許可を持っていても、子供が成人を迎えた場合、その子供は親と同じ許可はもらえないんですね(永住権は一度貰えばそのまま)。ここは非常に重要な点だと思います。子供だけ日本に帰らなければならないということが起きる。

では、マレーシアで言えば、じゃぁ子供にもMM2Hを取らせれば良いなんてのは馬鹿な発想で、長期旅行者と同じ権利しか無いMM2Hでは就職の自由も無ければ社会保障も何もないわけで、先の短いジジババならいざしらず、将来ある子供がそんな滞在ビザで生きていけるわけがないんですね。これは日本を想像すればすぐわかるわけで、もし日本に住んでいて、自分の子供に自由な就職の権利もない、社会保障もない場合を想像してみればわかる。

では子供も起業させてとか、あるいはビザを取ってくれる企業に就職して、なんてのも同じようなもので、病気一つして仕事が出来なくなったらそれでアウトなんですね。国外退去せざるを得ないわけです。

(余談ですが、オーストラリアでもアメリカでも永住権を持っていると非常に異性にもてるんですよ。それを狙っている人ってとんでもない数、存在するのね。また結婚して(同棲でもOK)相手も永住権が取れるようになったら、すぐサヨウナラなんて話はゴロゴロ存在する。)

私の親戚にアメリカの日系人が多くいることをちょっと書いたことがありますが、中には悲惨な生活をした家族もおりまして、当初はアメリカで起業し日本政府から補助金を得るようなかなり大きな水産業をしていたのですが、それも破綻(破綻時には日本でも報道されました)。滞在ビザは当時E-2と呼ばれた起業家のビザですが、永住資格はありませんし、2年毎だったか更新が必要。ところが会社も破綻しましたから更新が出来ないんですね。つまり国外退去しなければならない。

そんな時に、離婚しました。子供は5人。彼らは日本語を全く話さない子どもたち。

どうしたと思います?なんと叔母はその子たちと共に、アメリカに残ることを決心した。

どうやって?

不法滞在です。上の子は中学生、一番下はまだオシメをしている様な子供を抱えて、叔母は不法滞在を選び、そして子どもたちを育て上げました。不法滞在ってどういうことだか多くの人は想像できると思いますが、収入の確保、子供の学校のこと、就職、どれだけ苦労したか想像できると思います。アメリカには不法滞在者が多くいて、イミグレに捕まることを恐れながら社会の底辺で生活する人が多くいますが、叔母たちもそういう人たちの中に入って生活しました。

かつてはロサンジェルス近郊の街の高台の一番上にある豪邸に住み、ベンツも数台もつような生活をしていた彼らの凋落ぶりにはびっくりしましたが、ロスから地方都市に移り、光の当たらないところでずーっと苦労していました。その後、アメリカで恩赦(不法滞在者も自ら出頭すれば永住権を与える)あって永住権を確保できるまでの10数年間、彼らがどんな生活をしたのか、私はそれを思い出すとぞっとします。(今ではみんなアメリカ国籍)

なぜ叔母が日本に帰ることを考えなかったのか、それは未だに謎のままですが、日本語も、そして日本をまるで知らない子供を5人抱えて、やっぱりアメリカのほうが良いと思ったのでしょう。でも滞在ビザはない。

なんで?って思いますが、そういうまともな滞在ビザを持たない日本人って海外にはいくらでもいるんですね(日本にいる不法滞在者と同じ)。そして日本に帰りたくても今更帰れない。あるいは滞在許可がないのに帰ろうとも思わない人たち。でも一つだけ確かなことは、誰ひとりとしてそんな生活を望んではいなかったってことじゃないでしょうか。

海外生活に光を当てて持ち上げるマスコミは本当に馬鹿としか思えません。私は影の部分のほうが遥かに大きくて深刻だと思っています。

でも親方日の丸の駐在やお金も資産もある人たちのロングステイ、留学とかは別ね。これはバラ色の部分が多いかも。駐在やロングステイの人たちって私から見ると、幸せだなぁ~~って思いますもの。わけのわからん海外で自らの力で食って生きるという根本のところに問題を持っていないのね。そして帰ろうと思えば帰るところを持っている人たち。

で、そういう人たちの楽しい話を聞いて、私も~~~なんて調子に乗って仕事もやめて子供を連れて海外に出るのはただの脳天気。あるいは、海外の永住権もないのに日本を捨てるような生き方をするのはただの馬鹿か変人としか言いようがないでしょう。あるいは夢ばかり見ているロマンチストか。

海外で生きるなら永住権は「絶対に」必要なものだと思います。でもねぇ、簡単じゃないからね~~とかいう人も多いですが、その国の街を見渡してみてください。どうしてこの人が永住権を取れたのか不思議に思うような人がいっぱいいるでしょ?永住権って絶対に取ろうと思わない限り取れないのね。お金で買うわけにもいかないし。でも頑張れば取れるし、みんなそうやってどうにか取ってるわけです。

でも本当に永住権を取るのが難しい国もありますが、そういう国って、外国人に永住してほしくないという意思表示をしているわけだから、自分たちがそこにしがみついても将来問題が出るのはわかりきっていると思いません?だったら永住権が取りやすい国に移るという選択肢も考えるべきで、この国が好きだから、なんて理由で国を選ぶのはアホ。いや、永住権は無理だ、と思うなら、いつか日本へ帰るという選択肢を捨てるべきじゃないってことなんですね。永住権は無理だけれどこの国が好きだからいつまでもいたいなんて理屈が通用するわけがない。

逆を返せば、いつでも日本へ帰る心構えと準備さえあれば、どんな国ででも好きなことができるってことになるんでね。と同時に、日本へ帰って食っていけるか、子供もそれで大丈夫かということも常に頭の隅に置いておかなくてはならない。

永住権か国籍をもたない外国人は、その国にとってお客さんでしか無いってことだけは忘れるべきじゃないと思います。しつこく書きますが、もし自分が日本に住むのに許可が必要で、それが数年ごとの更新制で、その都度、必要条件を満たしていないとしたら国外退去になると想像すれば、永住権がないというのはどれだけ大変なことか簡単にわかることだと思います。(ちなみに今の日本はビジネスビザも簡単に取れるし、5年頑張れば国籍も取れる(永住許可はなぜか10年)、世界的には異常な国になりました)(マレーシアのMM2Hビザは特殊な観光ビザと考えるべき)(また永住権があっても帰らなければならなくなる家族も多い)

自分の欲望、願望だけで決めるとどこかで躓く可能性が高くて、その地にもいられない、日本へ今更帰っても食えない、子供も帰りたがらないなんてことも起きるわけですが、そういう経験をした人たちってほとんどが口をつぐんで何も喋らないことを忘れてはならないと思います。もしも「良い経験をしました」と言う人がいたら何が起きたのか、振り返ればどうするべきだったと思うのか根掘り葉掘り聞くことが肝要でしょう。

誰のために?もちろん子供のためにです。親はどうでも良くて、「子供のために」と思ったことが実は子供に問題を残すことになったなんてことになりませんように。子供は好きな国で好きなように生きれば良いなんて思っても、世界はそういう風に出来ていないのね。

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海外で命の次に大切な物” への2件のコメント

  1. daboさん、以前のブログは管理人(つまりdaboさん)宛にコメント入れられましたよね?非公開の。こちらの新しいブログではそれはできないのでしょうか?5年前のホットメールアドレス、まだお使いになっていますか?

    • 秘密コメントが入れられないのを今知りました。プラグインを導入しましたので、今後はOKです。

      私にメールを送る場合は、このブログのメニューに「ダボにメールを送る」というので送れますよ~~。またメルアドは以前と同じです。

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