共通番号法案が可決

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 社会保障給付や納税などの情報を一元管理するため国民や企業に番号を割り当てる共通番号(マイナンバー)制度関連法案は一部修正の上、26日の衆院内閣委員会で共産、生活を除く与野党の賛成多数で可決された。5月の大型連休明けの衆院本会議で可決、参院に送付される見通しだ。
 政府は、共通番号制度によって年金の申請などの手続きが簡素化され、生活保護の不正受給の防止にも役立つと説明している。
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衆院内閣委員会で可決。これから衆院本会議、参院ってことですが、共産、生活を除く与野党の賛成多数で可決されたってことはこのまますんなり行っちゃうんでしょうね。

これってどんな内容なんでしょうか。細かいところがまるで見えてきません。

我々の個人情報って多岐に渡るわけですが、どの部分を串刺しにして一元管理するのか。年金、医療、税務ってことなんでしょうが、その範囲がどこまで広いのか。運転免許、パスポートはもちろんでしょうが、クレジットカードや銀行、証券会社の口座も全部繋がってしまうのか。まさか電子取引、ネット取引にも入ってくるのか。これ、どこかで歯止めがないとまずいですよね。

税と社会保障ってことなら良いとは思うのだけれど、日本の案はどうもスウェーデン型といわれるかなり広範囲に使うタイプらしい。

「共通番号は、マスターキーに使えば個人のプロファイリングが容易にでき、国家が個人の生活のいかなる場面にも入り込み追跡できる体制を敷く仕組みであり、 人間の尊厳の保障や個人の幸福につながらないとの鋭い指摘がある。・・・共通番号制導入によるデータ監視社会化に突き進んだのは、 ”高福祉高負担”政策――”福祉の不正受給、課税漏れは絶対に許さない”という考え方――がその背景にある。 最大の課題のひとつは、当局が把握できない無届就労や租税回避・ほ脱などからくる”課税漏れ”対策であるが、高負担政策や国民所得に対する番号管理を強めれば強めるほど、 逆に、無届就労、地下経済、他のEU諸国などへの課税源の移転が深刻になることを物語っている」

ま、一般的な心配はこういうことだと思うんですが、その他、いろいろ議論を見ることができます。↓

社会保障と税の共通番号制度  ← クリック

まぁ、便利になるといっても国の国民管理が便利になるだけで、国民にとってどれほどのメリットがあるんでしょうか。それどころか管理が監視強化になるようで、心配です。

海外においてはどうなのかですが、これは興味ある内容だと思います。

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意見書は「海外における情勢」として、イギリス、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、アメリカにおける番号制度について紹介し、それぞれ検討を加えている。以下、要約すると
 
イギリスでは人権を蝕む国民ID カード制を廃止
 2010年5 月に誕生した保守党・自由民主党による新連立政権は、自民党の政権公約等にしたがい、「国家が必要以上に国民の個人情報を収集しない方針」を打ち出し、前労働党政権下で導入した個々人の生体認証情報を含む個人データをベースとした監視システムである「国民ID カード制」を、恒常的な人権侵害装置であるとして廃止を決定し、議会に国民ID カード廃止法案を提出した。下院での審議を終え、11月1日現在、議会上院において審議中、近く議会を通過する。
 現在、国民ID カード制は停止中であるが、法案成立後直ちにシステムが廃棄される。
 
ドイツにおける共通番号禁止の実情
 行政分野共通の番号を採用せず、複数の分野別限定番号を採用(セパレート・モデル)し、国民の自己情報決定権の保護を優先している。背景には、連邦憲法裁判所が下した、1983年の国勢調査に汎用の共通番号を利用することは違憲となる可能性がある旨の示唆を含んだ判決及びこの判決に基づいた汎用の共通番号の導入は連邦憲法上ゆるされないとする連邦議会の見解がある。

 各個人に11 桁の番号を連邦財務省が付ける「納税者番号」を2007年7月から導入。納税者番号は限定番号であり、その番号を使って納税者から納税目的以外の情報を入手することやデータベースを構築することは禁止されており、日常の取引などにも利用できない。他の行政機関や民間機関は、納税者のデータを整理する場合や課税庁に送達する場合に限り納税者番号を利用することが認められる。

 連邦憲法裁判所は、各個人にはデータベースの開示、訂正などについて裁判上の救済を求めることができる自由権として自己情報決定権を認めている。本人が知らないデータベースにより、本人に対する評価や決定が行われたときには、自己が、自己の意思又は良心に基づいて行動する自由、例えば、デモ参加、署名、講演出席などを自主的に決定する権利が妨げられるからである。

 政府第三者機関として独立の「データ保護監察官」が設置されている。末端の官公庁は、違反を防ぐために一定の権限(例えば、センシティブな個人情報の利用に係る事前審査など)を有するデータ保護責任者を任免するよう求められており、法律違反がある場合は、この責任者が第一次責任を負う。データ保護監察官は、これらデータ保護責任者に助言を行うとともに、職権で各官公庁を巡回し、法律違反を摘発し、改善を指示することで、データ主体である国民を保護する任務にあたっている。
 
オーストリアの付番モデルの特質
 個人情報の横断的なリンケージに歯止めをかけることにより、個々人のトータルな個人情報を国家がマスターキーを使って直接掌握できないようにする分野別番号制(セクトラル・モデル)を採用。日本政府の「番号に関する原口5原則」(2010年3月15日)では、セクトラル・モデルの採用を示唆。しかし、オーストリアの例に見られるように、秘匿の番号(sourcePIN)から第三者機関(DSK=データ保護委員会)を介在させて分野別限定番号(ssPINs)を生成・付番する仕組みや手続はかなり複雑であり、オーストリアの約16倍の人口を擁する我が国において、このモデルを採用するとしても、コスト負担への疑問のみならず、こうした複雑な仕組みや手続を使って番号制度を実効的に運用できるかどうかはすこぶる疑問である。実現性は極めて低いと見ざるを得ない。
 仮に、我が国で、セクトラル・モデルを採用するとしても、既に秘匿の住民票コードがあり、これを使えばよいわけで、新たに共通番号を導入する必要性はない。
 
スウェーデンは共通番号を汎用した完全なデータ監視社会
 フラット・モデルをとるスウェーデンでは、1947年に全住民を対象に生年月日を活用し出生時に付番・交付する形で10 桁の官民汎用の共通番号制を実施。生涯不変のこの番号は一般に公開(可視化)され官民のさまざまな目的に使われ、1967年にシステムが電子化され現在に至っている。

 共通番号を使った自動データ処理や個人情報の集積に対する国民の不安の高まりを受け、1973 年に世界に先駆け「データ法」を制定し、1974年には、「データ検査院」を設置。データ検査院は、データ法の下、センシティブな個人情報を扱うデータベース設置・利用に関する許可制度の運営、データ照合プログラムの評価をはじめとしたプライバシー問題を専門に扱う特別のオンブズパースン(政府第三者機関)である。プライバシー侵害事案やその他苦情事案を処理・対応する組織とされてはいるが、人員等の限界もあり、活動は極めて限定されている。

 スウェーデンは、「プライバシー先進国」してのイメージがあるが、実際には西欧や北米のプライバシー問題専門家からは、共通番号を汎用しデータ監視社会の構築を許してしまった国として厳しい評価にさらされている。

 共通番号の付番・管理機関は課税庁(国税庁)であり、共通番号は当初から一般に公開(可視化)した形でまったく制限なしに使われてきた。このため、共通番号は税務を含むあらゆる行政機関だけでなく、幅広く多目的利用され、スウェーデンに居住する者は、共通番号なしには日常生活が難しい。また、警察、課税庁、国家統計局などはそれぞれ、あらゆる国民・住民の個人情報を各人の共通番号で収集しデータベース化し管理している。各種民間機関も同様であり、官官、官民・民官の間での国民・住民データの照合は、共通番号をマスターキーとして頻繁に実施されている。

 スウェーデンでは、第二次大戦後早くから、共通番号を使って国民・住民の個人情報を収集・管理し、徹底したデータ監視社会化が強力に推進され、1976 年には共通番号を使い基本的な個人情報を集中管理する「全国住民登録台帳」が創設された。全国住民登録台帳には、居住外国人を含む全住民について、各人の氏名、共通番号・暫定共通番号、出生地(国内、海外)、国籍、婚姻関係、配偶者・子ども・後見人・養子、住所、登記している資産・行政区・自治体、移民・移住、海外の住所、死亡日・埋葬場所、婚姻届出日などが記載されている。共通番号を含む各人の基本情報は公の支配の下に置かれ、閲覧により被害を受けるおそれがある場合などを除き、原則として誰でもが入手可能である。

 共通番号は、マスターキーに使えば個人のプロファイリングが容易にでき、国家が個人の生活のいかなる場面にも入り込み追跡できる体制を敷く仕組みであり、人間の尊厳の保障や個人の幸福につながらないとの鋭い指摘がある。他方で、マスターキーを使った国民データの電子集約管理は利便性も高く、時代の要請であり、人種偏見の強い国の侵略があった場合、一瞬にしてデータ消去・破壊ができることから、敵の手から国民を護るには文書管理よりも効率的・合理的であるとの反論もある。

 これまでもスウェーデンにおいては、プライバシー保護の観点から共通番号の利用を制限しようという政治の動きはあった。しかし、共通番号の利用制限が必要との結論に至らなかった。この背景には、官民が保有する膨大な数のデータベースのアクセスナンバー(本人識別番号)である共通番号を変えるとした場合、膨大なコストがかかることがある。いったんフラット・モデルの可視的な共通番号を導入しそれを官民で汎用した暁には、さまざまなプライバシー問題が生じたとしても、後に規制を掛けることは至難の業である。

 スウェーデンは、人口比発生率で見るとアメリカに次ぐ「なりすまし犯罪者天国」である。原因は、各人の生年月日・性別をベースとし容易に組成できる共通番号(政府の委員会は、2008年6月に2010年以降、新生児、移民に対しては生年月日をベースとしない新たな付番方式を採用するよう勧告)を一般に公開(見える化)し官民で汎用したことにある。また、スウェーデンが共通番号制導入によるデータ監視社会化に突き進んだのは、「高福祉高負担」政策――「福祉の不正受給、課税漏れは絶対に許さない」という考え方――がその背景にある。スウェーデン政府の最大の課題のひとつは、当局が把握できない無届就労や租税回避・ほ脱などからくる「課税漏れ」対策であるが、このことは、グローバル化が加速する中、一国が高負担政策や国民所得に対する番号管理を強めれば強めるほど、逆に、無届就労、地下経済、他のEU 諸国などへの課税源の移転が深刻になることを物語っている。
 
アメリカにおける共通番号の運用と成りすまし犯罪の実情
 アメリカは、1936年に、社会保障行政に使うことをねらいに「社会保障番号(SSN=Social Security Numbers)」を導入。連邦社会保障法により、申請に基づき社会保障局が発行する社会保障番号は、利用が制限が当初からなされることなく、官民にわたり幅広く使われる、可視化し一般に公開するフラット・モデルの共通番号(納税者番号としても)である。

 現実空間での取引に加え、サイバースペースでの取引(電子取引・ネット取引)にも汎用されていくことにより、番号が売買、垂れ流しされ、不法行為に手を染める者の手に渡るなどして、アメリカ社会は、他人の社会保障番号を使った「成りすまし犯罪者天国」と化し、社会保障番号に係る国民の情報コントロール権は、風前の灯のようになっている。被害者の窮状が社会問題になり、他人の社会保障番号を使った「成りすまし犯罪」に対処するために、連邦や各州の議会、省庁が対策を練ってきているが、いまだ抜本策を見出すにはいたっていない。

 共通番号の利用制限が進まない背景には、官民が保有する膨大な数のデータベースのアクセスナンバー(本人識別番号)として共通番号が使われている事情がある。成りすまし犯罪への対処してアクセスナンバーを変えることは、理論的には可能であっても、膨大なコストがかかり、現実的には不可能である。いったんフラット・モデルの共通番号を導入し、それを汎用した暁には、プライバシー問題で社会に混乱が生じても、その廃止はもとより規制を掛けることすら至難の業となる。
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なりすまし犯罪にどう対応するのかって確かに大変そうですね。クレジットカードみたいに新たに発行ってわけにはいかないだろうし。

ところで海外在住者はどうなるんだろう。

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