TPPには反対だけど・・・

私がTPPには反対なのはいつも書いている通りですが、自分の中にも変化が起きているのも確か。そして同じ反対派に対して、ちょっとおかしいんじゃない?って思うことも増えてきました。

まぁ、一言で言うと、お化けがでるぞ~と騒いでTPPには反対しようと言っているような感じ。

私が気になる条項にISD条項ってのがあります。これもTPP反対派は必ず指摘する点で、外資が不利になることが無いようにというISD条項ですが、これを「多国籍企業の言いなりになる」と決め付ける論調が多いのには最近いささかウンザリしています。

カナダではこんなことがあった、メキシコではこうだった、日本もそうなるという論法なのですが、ではカナダで一体何がどうだったのか。どうして外資が裁判で勝ったのか、国が負けたのか、その内容まで言及している人は皆無と言って良いくらいですよね。ただ、国が負けて何十億、何百億払うことになったということだけが一人歩きしている。

このISD条項のポイントは内国民待遇をしなくてはならないってところだと思うのですが、外資を狙って彼らだけ許可をもらえないとか、規制に従っているのに排除されたとか、そういうことが無いように安全弁としてISD条項があるんですよね。だから日本政府もこれを歓迎する立場を取っている。特に発展途上国に対してはこの平等であることを担保するのは重要ですもんね。

さて、問題は実際にカナダやメキシコ、韓国で何があったのか。これを知らずしてISD条項は駄目だというのは全く論理的じゃないと思うのですがいかがでしょうか。実はこの点は私も反省するところが多く、上辺だけしか見ていませんでした。裁判の内容までは知ろうとせずに騒いでいたのは間違いがありません。

そこで内容を調べてみますと、想像していたものとはちょっと違うのがわかりました。反対派としては「治外法権」的なものがあって、言いがかり訴訟で企業側が勝ったように思うわけですが、それが果たして事実なのか。まずその証拠を探そうと思ったのですが、見つからないんですよ。これには私もびっくりで、もしかしたら賛成派の策略に乗せられたのでは無いかと思うものの、ギャーギャー騒ぐような内容は見つからない。ただこれは私はもっと慎重に調べる必要があるはずで、これからもそれはやるつもり。

またISD条項ってTPPで出てきたわけじゃなくて、日本はすでにISD条項を入れた投資協定を二十四カ国と結んでいるとのこと。では今までに何か問題があるような事例があったのか?

ただ私がISD条項は日本に不利だと思う点はそういう事例とは関係ありません。

日本には海外には希薄な「高い倫理観」があると思っています。つまり法律で規制されていなくても「倫理観」という法律の上に立つ理念があってそれに従って動くのが日本の基本ではないでしょうか。関係ない話ですが、私はこのブログでもホリエモンのことは嫌いだと何度も書いています。その理由がまさにそれなんです。彼が逮捕された内容ではなくて、彼がいかに巧妙な手口を使ってライブドアの株式分割をし、見た目の株価を下げ、そしてそれを何度も何度も繰り返し、一般大衆が買い易いようにし、値を維持、あるいは吊り上げた。そしてその高値を維持した株式を使いわけのわからん会社を買収しライブドアを大きくし、そしてあたかも優良企業の集合体であるかのように見せ、そしてそれを売り物にして、また株を買わせ、そしてまた分割し・・と、こういうことをやったんですね。彼が錬金術師と呼ばれるのはこれが理由のはずですが、これって法律違反じゃないんですね。でも日本の一流と言われる企業はそういう「恥ずかしい」ことはしないのが日本の企業倫理だと私は考えるのです。そしてそれで日本は成り立っている。ライブドアが球団を買おうとしても許されず、どうして楽天は良いのか疑問に思った人も多いと思うのですが、やっぱり日本の中枢にいる人たちはホリエモンを企業家として迎え入れることはしなかったということだと思っています。それどころか排除する必要があると判断し、無理やり捕まえた。

私はこれと同じようなに法律上問題がなければ良いだろうというのを認めたくないのです。つまり法律という基本があって訴訟大国のアメリカから見ると、日本には抜け穴が沢山あるような気がしてしょうがないんです。でも彼らは法律を盾にとってガンガン攻めてくるでしょう。違法じゃないんですから。これに対して倫理観で動いている社会は無防備であると思うんです。で、それを取り締まれば当然ISD条項で対抗してくるのも当たり前で、日本政府は負ける。

でもこれは日本の弱点であると言っても良いわけで、論理的な法整備が急務となるんじゃないでしょうか。縦割り行政でつじつまが合わない法律や規制がある方がおかしいんですから。

でも私はそういう文化に根ざした日本のやり方って決して嫌いじゃなくて、でも間違いなくおかしな点もある。でもそれを外人にとやかく言われるのが我慢できないのです。

これって農業もそうですよね。日本の農業政策がおかしいのは日本の全国民がそう思っていると言っていいくらいですよね。絶対にこのままで良い筈がない。でもそれをどう変えていくか考えるのは日本人の仕事であって、外国勢にガタガタ言われる筋合いはないんですね。でも関税に関しては関税自主権が大事だとは思うものの、今のような極端に高い関税が許されると考えるのは世界から見たら我侭でしかないとも思うんです。発展途上国が大きくなるのに四苦八苦しているのとは違うんですから。経済大国である日本の責任も考える必要があるのは否定できません。この辺の答えを出すのは簡単じゃなくて、関税自主権だ安全保障の分野だと農業を別格扱いしていいのかどうか。まぁ、落としどころは海外に対しては門戸を開放して、国内的には産業育成の名目で保護するってことになるんでしょうが、でもそういう目先の話じゃなくて、国家100年の計としてどうあるべきか、ここはしっかり考えて変えるべきであって、TPPのせいにするべきでは無いと思ってます。

一度決めたら後戻りできないラチェット規定ですが、これも確かに怖いことは怖い。ただ規制緩和が当たり前で、問題が起きている分野に関して規制を強めることを不可能にする規定じゃないと思っています。TPPの条約の内容に関してのみラチェット機能が働くはずで、個別の細かな分野での規制強化を制限するものではないんじゃないでしょうか。例えばBSEにしてもそうですが、将来的にはBSEの危険がある牛でも買わされるような恐怖感を植えつけようとする反対派がいるのは異常だと思っています。

反対派の中には、(つい最近ある反対派の医師へのインタビューをこのブログのコメントで紹介され聞いたのですが)TPPは国内法の上に立つもので、しかしそれは日本においてはそうだけれどアメリカでは国内法の下に置かれるという人まで現れた。でもその医師はその根拠を一切説明しない。またその医師は、カナダの健康保険がISD条項によって標的になっており、(その内容は明らかにせずに)カナダという国を日本に置き換えてみたらどうなる?という、あまりにも飛躍した論法で恐怖を煽っている。

こういうのに乗っちゃうのが民衆であり、また私もそのうちの一人なんですが、でもせめてその論拠なり、一体何が起きて何が問題であるのかを知らずに反対の声を上げるのは私は間違えであると思うんです。

まぁ、民衆っていつもそうで、常に雰囲気で動く。でも実際に何が起きているのかはわからない。扇動するのがうまい人の言うことを聞いてしまう。なーんて書きながらすぐ頭に浮かぶのは小泉さんの郵政選挙ですが、常にあれと同じことが起きているのが現実で、それに気がつくとがっかりするというか、まぁ、民衆って騙され続けるものでしかないのかと思ってしまいます。でもそこから一歩出て真実を見極める努力はしたいと思うわけで、無駄な抵抗だとは思うもののそうありたいと思います。

私がTPPに反対する理由はあくまで日本の文化を守りたいという一点でしかなく、それによる経済的な恩恵があるのかないのか、あるいは損失ばかりなのか、その辺はあまり気にしていません。それどころか、このブログでも書いているように、もし日本人が本当に外向きになってTPP参加国に乗り込んだ場合、TPPなんかやらねば良かったと思うのは彼らだと思っています。これって海外に住んだり、仕事をしている人でそう思う人は多いんじゃないでしょうか。

そもそも文化の無い国が文化のある国に乗り込んで、あれじゃこれじゃ売ろうと思っても簡単にはいかないんですね。そこそこの品質と低価格であれば売れると思ったら大間違い。いくら市場参入の壁を下げたところで、我々の文化を無視した商品やサービスは絶対に売れない。そもそも今の時点でも多くの分野では関税も無いに等しい、非関税障壁も大したことは無いと私は思うんですよ。でも彼らは日本の文化が理解できずに、売れないのは関税や非関税障壁があるからだと信じている。本当にアホだとしか私には思えなくて、日本で売れるものがあるのならとっくに商社が飛びついているということを彼らは理解できないのね。自分達は優れていて、自分達の商品も世界一だと思っている。アホぬかせ~と私はいつも思うんですが、アメリカの自動車が日本で売れない簡単な理由さえ彼らはわかっていない。でもこれって日本の家電メーカーが韓国に負けたのも同じ理由だと思っています。選択と集中に間違えたのと、マーケットリサーチに甘さがあったのではないでしょうか。それと官僚主義的な組織の甘さがあるんでしょう。

保険の分野はかなり様子が変わってくるのは間違いがなさそうで、特に保険と言うより医療の分野で彼らは混合治療の解禁を迫るのは間違いがない。これの是非はTPPに関係なくどうするべきかは大きな問題で、混合治療がOKとなれば次から次へと出てくる高度医療は健康保険対象にならない方向へ動くのは簡単に想像できちゃう。つまり貧乏人は高度治療を受けられないと言う時代がくるであろうってこと。だから駄目なんだという理屈はわかるけれど、では健康保険制度は今、そして今後どうなるのかってことですよね。ちゃんと辻褄があっているなら良いけれどもう破綻が見えているわけだから、どうしたって混合治療解禁へと動くと私は考えているし、それで良いと思うんですよ。健康保険がカバーしない分は、民間保険で補う。なんでも政府が出せってのには無理がある。

そして時と共に高度医療は普通医療に変わっていくわけで、それらは健康保険で使えるようになる。なーーーんてのは甘い期待だそうで、一度民間保険が動き出すとこういう変化は駄目だそうですね。保険の設定が不能になるとのこと。保険会社は支払いが減るんだから良いだろうなんてのはゲスの考え方で、もうしそうなったら保険の組み換え、保険料の値下げを利用者は間違いなく言い出すし、商品としての保険が成り立たない。

ま、あっち立てればこっち立たずで簡単に進むことなんか何もないのでしょうが、混合治療の解禁は政府の負担増を軽減するようになると私は思うわけで、どうしたってそちらの方向へ動いていくと思っています。TPPは全く関係ない。

こんな感じで書き出すとキリがないのですが、雰囲気とか上辺だけを聞いて右往左往するのは馬鹿げているということです。誰それさんてとんでもない嘘つきなんだってよ。へーー、じゃぁ付き合うのを止めよう、排除しよう、なんてのと同じじゃないですか。

でもTPPってかなり強引で、パンツの中にまで手を入れられて好き放題やられそうな感じを受けるのですが、本当にそうなるのか、過去におけるFTA等で何が起きているのか、それも被害者意識を持ってみるのではなくて、逆に加害者の立場で見て、本当に思うようにうまくできちゃったのか、そういう視点も大事だと思ってます。

ただし、このTPPを動かす原動力は国境も関係なくもっともっともっと利益を出したい大企業群の意思が根底にあるわけで、極論を言えば、そういう連中が言いだしっぺの話には絶対に乗らないと言う立場もあって良いと思っています。簡単明瞭で良いでしょ?ま、そんなのは反対の理屈にはなりませんが。(笑)

また正直なところ、TPP反対派の論拠が怪しく感じる今日この頃なわけで、かと言って賛成派の言うことは全く同意できずなわけですが、きっとアメリカに押し切られるのだろうと思っています。そしてもし、本当に不平等条約であるのが確認できたら、私は一生涯、アメリカ的なものを自分の生活から排除するつもりです。彼らを受け入れない権利だけはだれにも侵害されないわけですから。

でもその時、私は日本の政治家を叩こうとも思わないんです。飲まざるを得ない何かの理由があると考えるべきだと思っていて、それをはっきりさせて是正するのが国民の仕事だろうと思うんです。国民が政治家を叩いても喜ぶのはアメリカだけでしょう。

ノーと言えない政治家が悪いんじゃなくて、そういう国にしてしまった日本人の責任だと思うんです。

韓国とアメリカのFTAは不平等条約に間違いが無いようですが、なぜそれを韓国が受け入れないとならなかったかを知りたいです。

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