卒業式

家族四人がシドニーで合流したのは次男坊の大学院の卒業式が切っ掛け。そのことを書いておこうと思います。

まぁ、格好つけちゃっていますが彼の喜びは我々家族の喜びであり、就職も決まったので私としても本当に嬉しいです。肩の荷がおりる感覚を久しぶりに味わいました。

卒業式ですが大学の学生数も多いことから大学としての合同卒業式はやらないみたい。何日にも渡って朝昼晩と分けてやった様子。またこの大学は二学期制なのですが、この時期は日本で言うと秋の卒業式で、春はもっと人数も多くて盛大なのかも。

式場も巨大な講堂って感じじゃなくて、式典前はホールにも人がごった返して大混雑。この卒業式では卒業生の数は約300人でした。

壇上には学長や関係学部のお偉いさんが並んでいますが、この服装が面白い。イギリスの流れを汲んでいるわけですが、こういうのを見るとハリーポッターを思い出してしまいます。

今まで見た卒業式に比べての感想ですが、学長の挨拶が非常に良かったと思います。基本的にありきたりのことはしゃべらないのが普通ですが、飽きることなく、内容も面白くて、そして卒業式らしい挨拶でした。

でも来賓の挨拶が長く、内容が難しくて私には????でした。(笑)

送辞とか答辞もなく、学生の総代がしゃべることもなく、また成績優秀生の表彰も無くて盛り上がりに欠けるもののさっさと終ってくれて助かったというのが本音。ただ、学生一人ずつ壇上に上げて卒業証書を渡すのはどこでも恒例のようで、それの時間が長かったなぁ。

でもみんなちゃんと拍手はするし、歓声が上がったり、また学生の個性が見える瞬間でもあってこれはこれで面白かったと言って良いかも。それと卒業式は大学だけじゃなくて大学院、そしてMBA、MBAエグゼクティブなどの社会人のための学部も合同でしたから、年齢層もかなり広く中には50代の人もいました。こういう学びたい人には学ぶ機会があって、そしてそれを許し、後押しする社会って素晴らしいと思います。

学生の多くはというより、殆どが黄色人種で当然中国人が大多数。その他、有色人種がチラホラで、白人の数が少ないのが印象的でした。これは次男坊のゴールドコーストの大学の時も同じでしたし、長男のメルボルンの大学でも同じ。全国的、いや世界的にこういう傾向なのでしょうが日本を除くアジアンパワーの台頭には凄い勢いを感じます。ちなみにこのときの卒業生の中の日本人は次男坊とその友人の二人だけ。

下の写真は同じ学部の仲の良い友人達ですが、まさにこの人種比率が全体の比率と言っても良いくらい。

ただ上にも書いた様にこの時期の卒業というのは日本で言えば秋の卒業式で、大半のオーストラリア人は春に入学するはずで、春の卒業式の方がオーストラリア人は多いかもです。でもなぁ、キャンパスを歩く学生を見ても白人が少ないのはすぐにわかります。

長男に聞いた話で本当か嘘か知りませんが、オーストラリアの教育産業の伸びは凄い様子で、外貨獲得では3位に入った業種らしい。まぁ、それは眉唾に思いますが、当地ゴールドコーストでも大学の拡充のスピードが著しく、かつては専門学校だった一地方の大学が医学部や病院を抱えるようになり、広大なキャンパスに次々と校舎を建てているのに驚きます。

ただこれは押し寄せる留学生の為というより、オーストラリア人の為でもあると私は思っています。随分前ですが、長男が大学へ行ったときに、やはり中には右傾した考え方を持っている教授もいるわけで、

「君達が優秀なのはわかる。しかし君達がこの大学へ入ったことによって、多くの優秀なオーストラリア国民がこの大学で学ぶ機会を失った事が私は悲しい。」

と言われたそうです。移民も国民、あるいは永住権を持っているわけですからこの発言は人種偏見そのものなわけですが、一言言いたくなる気持ちは良くわかります。

オーストラリアの大学に入学試験はありませんが高校の時の成績によってポイントが決められ、当然そのポイントの高い順で志望校、志望学部へ入れるか入れないかが決まるわけです。留学生枠は別ですが、移民の国であるオーストラリアでは小中高でも黄色人種(インド人含む)がトップを独占するのが普通で、白人種は置いていかれている傾向を感じます。

そういう意味においても、大学を大きくして受け皿を大きくしなくてはならない事情がこの国にはあるのかもしれません。

次男坊の出た学部は一番落ちこぼれて行く学生が多いと言われる学部で、日本にはそういう学部があるのかどうか知りませんが、こちらではアクチュアリと言われます。いわゆる統計の専門学部で金融や保険業界での仕事が多く、数学的にはファイナンスや会計とは比較にならない難しさがあるとのこと。ただそういう学校を出たからどうなるわけでもなく、アクチュアリとしての資格を得るまでの最初の一段階でしかなく、道のりは遠く険しいとのこと。学校内でも、次のレベルの授業を受けるのにもハイディスティンクション(最優)を取っていないと駄目で、パスレベルはそこで終わりとのこと。

そんな学部ですので就職はかなり有利とは言うものの、好きなところが選べるような時代でもなく、たまたま次男坊は就職が決まりましたが、同級生の中にはまだ就職が決まらない友人も少なくないとのこと。

ただ、出来る子は引く手あまたのようで、次男坊の同級生で、また日本人である友人は多くの有名企業からオファーが舞い込んだそうです。

その友人とのショット。彼は日本の大学を卒業して留学してきたのですが、たった二年でTOEIC(英語の国際的なテスト)で満点を取ったとのこと。親としてはその名前を聞いただけでヨダレが出てきそうな複数の企業からオファーが来たそうです。

でも次男坊たちの話を聞いていて面白いのは、その企業がどうとか年収とかの前に、就業時間をかなり気にするんですね。話を聞いているとまだ20代でも年収1千万円級の話はあるそうですが、仕事のきつさが半端じゃなく、朝8時から夜の1時までが普通とか。

冗談じゃないよな~、なんて彼らは話をしていて、仕事の内容も面白く、そして9時ー5時で終る仕事を優先しているのが意外でした。

そういう選択が悪いなんて全く思いませんし、自分の生活、家庭、趣味、そういうものに重きを置くという意味で、日本も欧米化してきたのか、裕福になってきたのか、そんな感じを受けます。でもそういう豊かさを追い求める青年ばかりだと、寝ずに歯を食いしばって勉強し、何が何でものし上がってやるという意欲に満ちている他国の若者に勝てるような気がしません。

でも息子達に言わせるとそういう発想自体が古いようで、一生懸命長時間働くとか、戦争をしているように命を賭けて死にもの狂いで頑張るからどうにかなるもんじゃないとのこと。でも日本はそうやって世界的な地位を築いたし、近年台頭してきた国々もそういう感じに私には見えます。

でもそれは違うとのこと。

働き方じゃなくて、一体何をどうするのかという一点だけが重要だと言います。まぁ、言われてみれば下手な鉄砲数打てば当たるわけでもないし、繁栄は選択と集中の結果でしかないのかもしれないと思ったり。

でも古い私としては、いや、やっぱり違うと言いたい。理屈を超えて、そして自分を捨てて飛び込むことによって見えてくるものが世界にはたくさんあるというのを私は息子達にいつかわかって欲しいと思いました。自分の枠を超えるには、自分が想像もつかない世界に飛び込むしかないんですよね。そこで初めて自分の知らない自分が見えたり、自分の能力に気がついたりする。だからこそ彼の言う選択と集中に磨きがかかる。

やっぱり息子達は現代っ子だわ。(笑)

ま、まだ22歳になったばかりですから、視野も狭いし世間のこともわからず、今は自信過剰にもなっているだろうし、その内、鼻っぱしらを折られたり、挫折を経験しながら育っていくのでしょう。

幼い頃は虐めにあって泣いたり、またある時には差別を許さず戦う姿を見せてくれた次男坊ですが、段々と大人になっていく姿は私には眩しく見えるし、それを見ながら生きていけるのは親として最高の幸せです。

次男坊に、世界に、そして神様に有難うと言いたいです。

オーストラリアに来て21年。次男坊がちょうど1歳の時です。その歴史の中で私が忘れることができない次男坊の高校での事件があります。それを書いた日記がありますので、それを最後に紹介します。

オーストラリアの日本男児 その2  ← クリック

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次男坊ですが、卒業はしましたがまだ大学に残って半年間授業を受けるとのこと。これは就職先の要望でCA(公認会計士)になる必要があり、それに必要な単位の一部を取る為。何をやってるんだかと思いますが、学費は就職先負担らしいし、私としてはOK。(笑)

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卒業式” への3件のコメント

  1. SECRET: 0
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    初めまして。
    ご卒業おめでとうございます。
    『オーストラリアの日本男児 その2』も併せて読ませていただきました。
    素敵な息子さんですね。
    私たちも、オーストラリアに来て1年と数カ月が過ぎました。
    きっとこれからうちの子どもにも、いろいろな事があるのだろうなぁと。
    それでも、daboさんの息子さんのように、自分の思いをしっかりと、伝えられる青年に育ってほしいと思う歴史でした^^

  2. SECRET: 0
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    daboさん
    ご卒業おめでとうございます

    ・・と言いながら、私はこうやって子供が親元を巣立っていくのが淋しくて仕方がありません

  3. SECRET: 0
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    智ママさん、初めまして~。

    智ママさんは子育て真っ最中ですか。楽しみですね。

    私が大事にしたことは、常に子供に何が起こって、彼らは何を感じ考えているのかを把握することでした。そして何か問題があるようなら一緒に悩んで、そしてそれを「必ず」一緒に「解決する」こと。

    そんなことは当たり前だと思うでしょうが、実はですねぇ、周りを見ていると意外にそうでもないんですね。特に虐めや差別らしきものがあった場合、子供も親もそれから逃げる傾向が強いと思います。この泣き寝入りって一番うまくないと思っていまして、戦うときには戦う。そして親はそのバックアップをしっかりしないと駄目なんですね。私の場合、担任に文句を言いに行ったり、弁護士を通して学長に正式な抗議文を出したこともあります。こういう行動が子供との連帯感、絶対的な信頼関係を築くのだろうと思います。日本で起きている虐めも同じですよね。

    基本的にはオーストラリアで子供を育てるのって日本よりはるかに良いと信じていますし、是非、素晴らしい思い出をたくさん作って頂きたいと思います。

    jazzさん

    そうなんですよね。子供が大人になっていくのは嬉しいけれど、離れていくのはやっぱり寂しい・・・・

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