人災か天災か

原発が酷いことになってますね。大事に至らないことを願うしかないですが、ではどのくらい酷いのかという現状はどうなのかとなると良く分かりません。

フランスはこんな事を言っている。

 [パリ 15日 ロイター〕 フランスの原子力安全当局(ASN)は15日、福島第1原子力発電所での事故について、国際基準で定められているレベル7までの分類のうち、レベル6に該当する可能性があるとの見解を明らかにした。

 当局は14日、レベル5もしくは6の可能性があるとしていた。

 ASNのラコスト局長は会見で「昨日から状況は変わっている。米スリーマイル島原発事故とチェルノブイリ原発事故の間のレベル6であることは明らかだ」と指摘した。

アメリカは

 [ワシントン 15日 ロイター] 米科学者団体「憂慮する科学者連盟」は15日、福島原発事故による放射性物質が東京まで達する可能性があるとの見解を明らかにした。

 一段の放射性物質が数百マイル先まで到達する可能性があると指摘した。

 また、福島原発での事故対応作業が一段と困難になることを「非常に懸念している」とした。

 原子炉格納容器が破損すれば、炉心溶融(メルトダウン)が起きた場合に放射性物質が漏れ出す恐れがあるとし、日本政府は避難区域を拡大する必要があると指摘した。

原発事故というと一番最初に浮かぶのがチェルノブイリで次にスリーマイル。今回の福島がこの中間の規模と言われても一体どう中間なのかはわからないにしても、あれほど世界中が大騒ぎしたスリーマイルより酷いというのにびっくりしました。

ある掲示板を読んでいたところ、「これは東電が悪いのではない、災害なのだから皆で力を合わせて・・・・」という書き込みを見ました。ここは全世界が総力をもって事に当たるしかないのはその通りだと思うのだけれど、東電が悪いのでは無いと言うところがちょっと引っかかりました。本当にそうなのだろうか。

とりあえず今は事の収拾を図るのが第一だけれど、果たして今回のこれが天災であって人災では無いのかどうかは疑問に思えるのです。

「人間は完璧ではない」

これを容認するならば逆に原発を容認してはいけないことになるはずで、どこまで安全が考えられていたのか、事故対処マニュアルはどうだったのか、実際にその通りに行動できたのかという点では我々素人でも変だと思うことはもうすでにあったはず。

そんなことを考えている時にこんなニュース。

米GE製の福島原発原子炉、安全上の問題を35年前に指摘

 [ニューヨーク 15日 ロイター] 米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)の元社員が35年前、今回事故があった福島第1原発の「マークI型」原子炉の安全性に対する懸念が理由で、同社を退社していたことが明らかになった。

 GEの元社員デール・ブライデンボー氏はインタビューに応じ、同社製「マークI型」原子炉について、大規模事故による負担に耐えうるよう設計されていなかった、と指摘。「当時、公共事業各社がこの事実を十分深刻に受け止めていたとは思わない。分析が終了するまで一部の原子力発電所は閉鎖されるべきだと思っていたが、GEや公共事業各社はそれに応じるつもりはなかった。そのため私はGEを退職した」と語った。

 さらに、同氏が指摘した設計上の問題は確かに第1発電所に知らされおり、かなりのコストを要することも明らかになっていた、と述べた。

 これより先に同氏は、ABCニュース番組のインタビューに応じていた。

 一方GEは声明を発表し、沸騰水型原子炉マークIの技術において、過去40年間安全に稼働してきたという事実があると主張。「1980年に(米原子力規制委員会は)マークI原子炉の格納容器に関する包括的な業界向け指示を出したが、GEはそれに従い、全ての顧客にそれを通達した」としている。

 ブライデンボー氏は「この事態の対応に追われている人々を気の毒に思う」と述べ、「一方で、福島原発の事故はマークIの格納容器から生じた直接的な結果ではない。地震や津波、マークI型格納容器が他の原子炉ほど負担に耐えられないという事実から生じた直接的な結果だといえる」と述べた。

そこで福島原発はどんな型でどこ製なのか調べてみました。

1960年代後半にGE社の原発を導入し、それを元に国産化が計られたのがわかります。でも構造的には同じマーク1型であるのがわかり、どれもかなり古い印象を受けます。原発がどのくらいの耐用年数があるのかとか、安全性が近年はどれだけ改善されたのか、また古い型であるマーク1型は本来置き換えられるべき旧型なのかそんなことが素人にわかるはずもありませんが、新型であったらこういう事故は起きなかったと旧式の構造的欠陥を指摘する専門家がいるのも間違えなさそう。

原発を持っているのは私企業であって利益を追求する企業。当然コストパフォーマンスが大事で、安全最優先という理念があってもそれはその時点で定められた範囲の中の安全性を確保しているかどうかという意味であって、建築基準と全く同じで、その時代時代が要求する基準をパスすれば良いという考えが基本である事は誰にでも分かる事。

ではその安全基準を作ったのは誰か?となるわけで、その策定の背後には様々な思惑が動いたであろうことも想像できます。1960年代、アメリカ産の原発に関してアメリカからの情報以外に、あるいはアメリカが安全だと言うことに日本はどれだけ意見を差し込める状況にあったのか、そんなことも考えてしまいます。

また時代の流れと共に安全性は増したのでしょうが、それにあわせて旧型を入れ替えしないまでも、補強が必要であったのにそれをしていない、出来なかった裏事情が書いてあるサイトもありました。もちろんこの手の情報を信じる必要はないわけですが、東電も政府もこれを作ったアメリカも完全なる善意が根底にあったとは私には思えないのです。また安全の確保という意味では自動車もなんでもそうですが、完璧なものは存在しないわけですから、どこに安全基準を置くのかが非常に大事だと思うし、その点で問題がなかったのかが疑問です。

ですので切っ掛けは地震であるのは間違いがないものの、問題が大きくなるのは人災ではないかという気がしてしょうがないのです。今はこれを論ずる必要は全くないと思いますが、一段落ついた時点ではっきりするべき事ははっきりする必要があると思っています。

ただ、今回の政府を見ていても、菅さんはいの一番に「原発に問題なし、心配するな、避難の必要もなし」と言っていたはずで、政府の危機管理能力の無さ、また東電の事故処理にも右往左往している姿が国民に見えてしまって、これで本当に大丈夫なのかという不安が一気に広がったと思います。これは世界も同じで、ドイツは旧型7機の稼動停止を発表。

今回の動きの中で私が感じたのは、誰も真実を言おうとしていないってこと。政府は毎度の事で「大丈夫」「安心してくれ」を繰り返すし、東電の説明はこれが日本語か?と思うような意味不明さもあり、言葉を選んでいるのは恐怖感を与えないためなのか、それとも責任問題を恐れているのかどちらにしか思えませんでした。今の日本は責任追及と言うとくだらんことばかりやるし、また庶民には嘘をついてでも安心させ、起きている問題を矮小化して見せようという傾向が強いと思っていて、政府も大企業も情報開示、コンプライアンスの重要性の意識が低いし全く信用できないと私は常日頃思っています。きっとこの件に関してもろくな結果は出ず、最初から落としどころが分かっている調査と議論しか行われないのではないだろうか。

そういう意味では海外の方が冷静に対処しているように思えることが多々あるので、日本のこの事故を元に海外が何を言い、何をするのかに注目したいと思っています。

とにかく今の時点では最悪の事が起きないように、また被害が広がらないように関係者に全力を尽くしてもらうしかなく、声援を送りたいと思います。

ただ、落ち着いた後は、一体何が起きたのか、何が間違っていたのか、何の問題があったのか、それとも全ては不可抗力であったのか、不可抗力なら事故を受け入れるしかないのか、将来のことは別にして今回の事故の総括はしっかりやってもらいたいと思いました。

 [東京 16日 ロイター] フランス政府は、東日本大震災で被災した福島原子力発電所からの放射線漏れで、放射線量が上昇するリスクがあるとして、東京に在住しているフランス国民に対し、国外に退避するか、国内南部に移動するよう勧告した。

 東京のフランス大使館は声明で、勧告は東京にとどまる義務のないフランス国民を対象としており、即時発効するとしている。

 また、エール・フランスKLM(AIRF.PA: 株価, 企業情報, レポート)に対し、現在アジアにある航空機をフランス国民の退避に向かわせるよう要請し、2機が向かっているところであることも明らかにした。

これって、フランスはそうするのか、じゃなくて、国民の安全を考えた場合そうするべきだと彼らは言っているわけで、日本も同じなはず。でもねぇ、そう簡単には・・・って思うのが普通だけどそれでいつも被害が大きくなるのでしょう。今回の地震に限らず、津波の被害はいつもそれで、逃げなかった、逃げられなかった人がいつも犠牲になる。 

福島以外の危険性もどうなっているのかわかりませんが、これ以上被害が拡大することなく収束に向かうことを願うばかり。

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