子どもの日本語教育

どこの地域ということではなくて、オーストラリアでもマレーシアでも子どもを育てる日本人にあるパターンが多いのがわかります。

家庭内でも子どもを英語で育てる。これです。

中には自分がずーっと英語で苦労してきたから子どもには早いうちから英語に親しんで欲しいと言うことで、家庭内でも英語を話し、英語のテレビ・教材を与えて英語を教える人は少なくない。

これってうまくないな、と昔から思ってます。

そんなに英語を慌てて教えなくても子ども達はちゃんと覚えちゃうんですね。回りは全部英語なんですから心配いらないと思ってます。それどころか日本語がその子に取って外国語になるってことを忘れちゃうまくないとおもうわけです。親が英語で苦労したのと同じように、今度は子どもが日本語で苦労することになるだけで、外国語である日本語をあとで教えるのはかなり難しい。

これは私はわかっていましたので、我が家では一切英語禁止。テレビも日本のビデオ、NHKの衛星放送。おかーさんと一緒なんて番組を見せながら育てました。これは大きくなってからも同じで、家では一切英語は禁止です。

確かに子ども達は学校で苦労したと思います。同じ日本人の子弟でも家庭内で英語を使って育った子ども達に比べたら英語は苦手だったのは見ていてもわかりました。しかし日本語に関しては完璧で、日本の子ども達と一切変わらず。また英語が苦手に見えたのも中学生になってからは全く問題はなさそうでした。

いや、本音を言うと、大学に入る頃まで英語が母国語ではないマイナス点はあったと思っています。オーストラリア人なら普通に知っているスラングがわからなかったり、英語で考えるパターンがずれていたり。ただこれは英語教育と言うより、家庭内で日本流で育てたからそうなったわけで、たとえ我々が英語で育てようと我々がそもそもネイティブの英語、オーストラリア人らしい思考方法をもっていないわけですから、言葉そのものは関係なかったかもしれません。

今現在、長男は21歳。次男は19歳ですが、英語では全く問題なく大学生として頑張っています。日本語はほぼ完璧。たまにコタツって何?なんてびっくりすることを言いますが、普通にしゃべっていたらオーストラリアで育った子どもには思えないはず。

では英語を中心に育てた子ども達はどうなったかというと、未だに日本語は彼らにとって外国語で微妙なところがまるで通じないと思うことがあります。かつては私が友人宅に電話をすると、そこの子どもが電話に出て、日本語で話すとうまく伝わらないなんてことは普通にありました。

良いんですよ、それでも。移民なんですから日本を捨ててもかまわない。どうしようとその人の勝手。ただ、日本のパスポートを持って、誰がどう見ても日本人に見えるのに日本語がちゃんと話せない我が息子は見たくなかったし、親子で日本語で話が出来ないなんて絶対に嫌でしたから。

また、海外で子どもを育てるとバイリンガルに育てたいと思う親は結構いると思うんですが、これが簡単じゃないんですね。英語が駄目じゃなくて、日本語の方が駄目。

例えば日本には帰国子女がいくらでもいますが、ちゃんと日本語が出来る子どもって決して多くないんですね。もちろん帰国子女といってもどこで何年いたのかでまるで違うわけですが、我が家の息子達みたいに3歳と1歳からずーーっと育ったような帰国子女は英語は良いのだけれど、では日本語で報告書を書けるかとなると問題が多い。そういう帰国子女は日本で随分見てきました。

外人と接している時はたいしたもんです。ネイティブ同士みたいな感じで仕事も進む。でも報告書が書けないんですね。会議では日本語で報告するにもとんちんかんだったりする。

でも中にはこれをバイリンガルと言うんだろうなという帰国子女もいたし、我が家はそれを狙っていました。で、日本語こそが彼らにとって外国語になるというのがわかっていましたので、日本語教育に力を注ぎましたが、まぁ、結果としてはうまく行ったと思っています。

子ども達の育つ過程で他の子ども達を見ていて思ったことは、まだ日本人の子どもは良いんです。親があるとき気がついて一生懸命日本語を教え出すのが普通。ただ難しいと思ったのはハーフの子ども達。今はゴールドコーストの日本語補習校ではハーフの子の方が多くなった状態らしいですが、ハーフなんだから日本語がわからなくてもしょうがないという方向に動きやすいのは見ていてわかりました。

日本語補習校は週一で土曜の午前中だけですが、それでも宿題もそれなりに出ますし、ある程度の年齢になると現地校の勉強も大変になってきますし、外国語である日本語を捨てる事になるケースが多い。日本人の子どもでも中学ぐらいから補習校は止める子は少なくないのに、ハーフの場合は止める確率がかなり高い。

もったいないと思うんですよ。親は英語の事ばかり考えているけれど、本来それは逆で日本語を小さいときからちゃんと教えておけば、日本語補習校の勉強も全く苦にならないし、そのまま普通の日本人と同じように進めるんですから。大きくなってから覚えた日本語でネイティブと同じようにしゃべり、書くのは至難の業でしょう。

ちなみに我が家ではしゃべる日本語は良いにしても読み書きをどうするか悩みました。で、子ども達を見ているとテレビゲームが好き。ここでハタと気がつきました。テレビゲームの攻略本を買ってきたんです。彼らに日本語の本を読めなんて言わなくても、その攻略本を隅から隅まで舐めるように読んで、読むのはすぐに覚えました。

これはシメシメと思ったので、その後は彼らの興味がある分野の日本の雑誌や本、漫画やゲームを選んで彼らに与えました。日本語教育という面での漫画やゲームの力は凄いと思います。我が家の子ども達はそれで読み書きを覚えました。いや、書く方はやっぱり難しくて、それはヨメさんが付きっきりで教えていました。日本語補習校の宿題ですね。でもそれ以外のことはやっていません。

敬語の使い方とか挨拶の仕方、立ち振る舞いは私が彼らがまだ幼稚園、小学生の頃に徹底的に教えました。すると他の日本人に、すごいねー、えらいねーっと子ども達は褒められるわけです。これが彼らの自信になり、私が何も教えなくても彼らは自分たちで覚えていくようになりました。

それと私が昔から大事だと思ってるのはアイデンティティです。アイデンティティとはなんぞや?ってことになりますが、私が考えている日本人としてのアイデンティティとは、

「私は正真正銘の日本人である」

という自分で自分を全く疑うこともなく信じれることだと思ってます。

私が育つ過程でまわりに日系人がいたのですが、叔父もその内の一人。シアトル生まれの二世です。戦争中には収容所に入れられた口。彼らを見ていて感じたのは、俺って誰?何人?というのをかなりの歳になっても引きずっていたこと。

国籍はアメリカ人だけれどアメリカではジャップと呼ばれ差別も受け、顔かたちは日本人だけれど全く日本語もわからず。日本に行けば行ったで日本人とは見てもらえず、変な外人と呼ばれたり。どこへ行っても仲間はずれの外国人扱い。そういう叔父が自分のアイデンティティをしっかり持つのにかなり苦労していたのは見ていてわかりました。

話は飛びますが、戦争中、ハワイの二世を中心にしてアメリカの二世部隊が組まれ、ドイツ戦線で戦って有名になりましたが、彼らの「俺たちはアメリカ人なんだ!」という心の叫びを私はそこに感じます。

つまり、日本で普通に育つとアイデンティティなんて考えたこともないはずなんですが、日本にいる外国人もそうだし、海外に出ている日本人はアイデンティティをしっかり保つのは決して簡単じゃないんですね。自分のアイデンティティをはっきりさせるために命を賭ける人さえいる。

私はそう言う意味で、子ども達には日本人であるというアイデンティティをしっかり持たせることが出来たと思っています。彼らがオーストラリアで育つ中でどんな思いをしてきたか、悔しく泣いたことは何度もあったはずです。そんな中で、諦めたり尻尾を振ることなく生きて来れたのも彼らの中にしっかりした日本人としてのアイデンティティがあったからだと思うのです。

国際人に育てたいとか、両国の架け橋に・・なんていう人もいますが、私はそんなのはこの世に存在しないと思っています。国際人なんてカテゴリーはどこにもない。単に大きな地球のある数カ所の狭い地域の事を知ってるだけのこと。

昔、友人が私に嬉しそうに言うんですよ。

「バナナはバナナじゃなくてバナーーナっていうのだと娘が教えてくれた」って

これに喜ぶ気持ちはもちろんわかりますが、それをそのまま放っておくと大変なことになるってこと。

我が家では日本語だけでなく、日本人であることをちゃんと教えてきました。で、そんな彼らに起きた過去の出来事をフト思い出した。

私たちの大事な大事な思い出だけれど、これを読むと今でも涙が出てきます。

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