アメリカの国税局はパワーがある

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アメリカの税金取り立てはかなり厳しいというのは周知の事実だけれど、また最近動きがあった様子。

ついこの間のリヒテンシュタインでの事件以来、ドイツ政府が手にしたデータはどの程度の物なのか、また他の国にしてもそのデータを欲しいはずだけれどどこまで渡っているのか、スイスは大丈夫なのかとかそんな心配があちこちでささやかれていますね。

きっちり払う物を払ってる人は恐い事なんか何もないのだけれど、いろいろ影で悪い事をしている人に取っては気になるはずです。

で、昨日情報が入ったのですが、スイスの各銀行に対してアメリカ政府が圧力を掛けて、米国籍・永住権保持者の預金者リストの提出を迫っているそうです。これはアメリカ在住の米国籍・永住権保持者だけではなくて、世界に散らばっている人たちもその中に入っているわけです。

ハワイやロス、NY辺りにもこの金持ちって一体何をしてるんだろうと思うような人たちがいっぱいいますが、本国やどこかでお金をしこたま儲けてそれをスイス、リヒテンシュタイン、その他タックスヘイブンにお金を移し、そこで無税で資産を増やしながら、自分はアメリカで優雅に暮らしている外国人は怖ろしい数いるのだろうと推測します。そしてその人達の多くは永住権を持っている。

同じようなことを香港、シンガポール、そしてマレーシアでやっている人たちも多くいるはずですが、そもそも税金を払わない(海外での資産運用で得る所得に対して)で良い国にいるのだから、安心といえば安心。ところがアメリカはそうは行かないんですね。オーストラリアも同じです。日本人に限らず、海外からお金持ちがごっそり入ってきていますが、オーストラリアの場合も、永住権を持つ持たないは別にして、納税義務者となれば世界所得に課税されます。日本とて同じ。海外にうまくお金を隠して、ある日ある時日本に帰って、お金は持っていないよ~~~、なんて顔をしてスイスにお金を隠したままなんて人もいる。中には、日本に在住したままで海外口座を作ってそこで資産運用して税金を申告しないで平気でいるトンチンカンな人もいるぐらい。

厳しいのはアメリカだけだ、というのも間違いがないかもしれません。でも最近、我がボンクラ国税局も香港に出張所を持ってるなんて話しも聞こえてきますし、本当にボンクラなんでしょうかね。マネーロンダリングを洗い出すという事で、日本でも海外送金、また海外からの送金に関してかなり五月蝿くなってきていますが、本当に犯罪がバッククラウンドにあるマネーロンダリングを見つけるためだけとはどうしても思えません。

アメリカの場合は税法の根幹に属人主義があって、海外に出たところでアメリカに在住しているのと同じ納税義務がありますし、海外に暮らすアメリカ人の数は日本人の比ではありませんから、その人達の世界所得をしっかり把握して税金を取るか取らないかでかなりの税収に差が出るのは簡単に想像できます。

ま、そんなこんなでアメリカが動いているわけですが、アメリカと日本の税務署がデータ交換をしているのは間違いがありませんし(以前の記事でちょっとそのことには触れました)、対岸の火事だと思ってると、いつおたずねが来るかわかりませんね。

実際の所、アメリカの国籍も永住権も無いし、アメリカとは違う日本の税制度で良かったと思うわけですが、つい最近、こんなニュースも入ってきました。

アメリカでの課税を逃れるためにアメリカ国籍や永住権を捨てる人が出てくるわけですが、そう簡単には逃がしませんよ、というアメリカの意志を感じるニュースです。

Exit Tax for U.S. Expatriates to Become Law

28 May 2008

New rules will impose tax on expatriates and withholding requirements on trustees

Giving up a U.S. passport will soon carry a steep price tag. A new law passed by the U.S. Congress and sent to the President will subject certain individuals who expatriate or give up their green cards to immediate tax on the inherent gain on all of their worldwide assets and a tax on future gifts or bequests made to a U.S. citizen or resident.

詳しいニュースのソースはこちら

脱税は悪。節税は善。

しかし、節税のつもりで行った行動が、新しい法律によっていつその手が封じ込められるかわからないという良い例だと思います。この例は、本来国籍も捨て永住権も捨てたという事は、他の国へ移っているわけで、その国の課税権さえも侵しかねないアメリカの強気の姿勢が見えていますね。日本においても、非居住者、非納税義務者の考え方が変わってきているという話しも聞きます。かつて日本の属地主義は税法の根源であるので、それが変わる事はないだろうという話を学者から聞いたことがありますが、根源が変わらなくても運用で変えるという日本のお家芸みたいのがありますので、この辺は注意して見ている必要があると思います。

海外に住んでいるのに、なんで本国に税金を払わなくてはいけないの?なんて人も多いかも知れませんが、アメリカがまさにそれですし、税収貧乏の日本がいつ何時新たな手を打ってくるかは、誰にもわかりません。まぁ、現実的にアメリカと同じようになる心配は、私はしていませんが、ちょっと海外を利用してごまかそうなんてのが簡単に通って良いはずがないし、納めるべき物は納める必要があるし、インターネットではびこっている脱税指南に乗るべきではないと思います。

このブログを見に来る多くの方は早期リタイアに興味のある方であるというのがアクセスログからわかるのですが、安易に早期リタイアで海外に出ようと考えていると、結局食えなくて税金をごまかさなくては生きていけないなんてことにもなりかねませんし、また最初から税金を払わないつもり、あるいは税金を考慮していない計画は話になりませんね。まぁ、好きにやればいいわけですが、少なくともこのブログでうまい話は書きませんので期待しないでください。

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