渡豪する前に税制を調べる重要性

若い方は別にして、それなりの資産を持ってこちらに来ようと考えている方々はこちらの税制をしっかり調べていただきたいと思います。

ある日ある時オーストラリアへ来て住民となった場合、オーストラリア当局はその人がどれだけの資産を持ち、どれだけの収入があるかなんてことは当然わからないし、それを調べるということも聞いたことはありません。

つまり、全ての資産をオーストラリアへ持ち込まないとか、オーストラリア以外の国で収入があろうと、それを自ら申告しない限りはわからないと言うことですね。

さぁ、どうします?

これをチャンスと見る方も多くいらっしゃると思います。確かに、オーストラリア当局は把握できないし、日本から出てしまえば、日本を源泉とする所得以外には、日本の税務署は課税出来ないんですから。いわゆる裏金が出来ることになります。これを日本でもない、オーストラリアでもないタックスヘイブンで運用すれば、誰にもわからないわけで、その利益には課税されないし、資産そのものが無いことになる。

そしてそれを贈与すれば・・・・とかいろいろ発展させることも可能になります。

まぁ、贈与だなんだは関係ないにしても、オーストラリアへ資産を持ち込んだ場合は、当然そこから発生する利益には課税されますし、年金も同じです。そしてここが大事なポイントですが、納税義務者となった場合、世界中で発生する所得を申告しなくてはなりません。

つまり、オーストラリアの居住者となっても、日本で収入があったり、つまり年金とか家作があって家賃が入るとか、息子に譲った会社から給料をもらってるとか、あるいは、タックスヘイブンで投資をしようが、それらは全てオーストラリアにおいて申告する義務があります。タックスヘイブンも何も関係ありません。

わかるわけないだろうって?

そう簡単に考えると火傷をする可能性があります。税務署を侮るなかれ。脱税は脱税で、もし見つかった場合、この手の脱税はマネーロンダリングと並行して、今どの国でもかなり五月蝿くなってきていますから、スケープゴートじゃないけれど、把握された場合、マスコミにも出ちゃうなんてこともあるかもしれません。

近年、日本へ、あるいは日本から送金する場合、かなり細かくそして五月蝿いことを銀行が言うようになりましたよね?どうしてだか考えてみてください。オーストラリアでも大きな金額を動かすと当局に連絡が行くようになっています。

確かにその原因は世界で問題になっているマネーロンダリングかもしれませんが、そのマネーロンダリングの調査中に自分の名前が浮かび上がることがあるかもしれないと言うことです。マネーロンダリングと脱税は一枚の紙の裏表みたいなものですから、自分はマネーロンダリングをしていないと思っても同じ事なんですね。

オーストラリアに住んでいる日本人夫婦が、他国で資産運用して得た収入をオーストラリアに送金したときに、当局はそれを収入と判断して課税したという話を最近聞きました。その情報の出所は海外の銀行のパーソナルバンキング部門にいる友人からですが、この場合は運良く、その送金した額だけに課税だったと聞いております。ただその後、もし本気で当局が調べ出したらどうなったことでしょうか。

想像しただけでもぞっとしませんか?

オーストラリアへ送金せずに複利で運用している物も含めて、全て課税されても文句は言えないはずです。重加算税と共に、脱税犯というおまけ付きです。

日本の税務署もバカじゃありません。海外に出た人に課税は出来ないけれど、帰ってきたときにはしっかりやろうと手ぐすねを引いて待っているはずです。

日本に戻り日本の納税義務者となったときに、たとえば、5年前に海外に持ち出したキャッシュから利益が出ているはずだと突然おたずねが来るかもしれません。またそういう事例もあると聞いています。

また、ハワイに別荘を持っていた日本在住の友人から聞いた話ですが、何年かして別荘を売却したときに、日本の税務署からおたずねが来たとのことです。その売却によって利益が出たとすれば当然それは申告するべき利益なわけですが、ハワイのことだからわからないだろうとその友人はタカをくくっていました。ところが、なんと日本の税務署はちゃんとそれを把握していたとのことです。アメリカと日本とちゃんと情報交換がなされているということです。(二重に税金が取られることは無いので、面倒ではあっても日本で申告するべき)

また、最近、国税局が海外に出張所を設置し、活発に活動しているという話も聞こえてきます。一体何を調べているのでしょうか。気になりません?

少なくともオーストラリアへ来たのであるのなら、こちらの法律に従うのは当然のことですので、安易に考えるのは止めるべきだと思います。

なぜこんな事を書くかと言いますと、熟年層の老後を海外で過ごそうとか、ロングステイで豊に暮らそうとか、その手の情報やお誘いが今氾濫しているものの、まともに税金のことに触れている案内を私は見たことがないからです。

こちらに渡ってこられる方々と話をしても、この辺をきっちり抑えてちゃんと申告しようという姿勢が無い方が大半です。

ましてやそれにプラスして、オフショアで有利に財産を殖やそうという情報も氾濫しています。オフショアという語句で検索してみてください。ごっそり情報が出てきます。誰にもわからないように、無税で資産を増やせるし、贈与も簡単だとか、いい加減な情報が山のように出てきます。

オーストラリアは今高金利で、定期預金で8.4%なんていうのもあります。でも、これに税金がかかることを忘れないで欲しいのです。金利だけで生きるとなればかなりの額になるはずで、そういう額の収入があったらどれくらいの税金を取られるのか、それを計算してみてください。大事なポイントですが、こちらには分離課税がありません。その金利も日本からもらっている年金もその他の所得も合算して総合課税となります。

こちらに来ようと思ってる方なら、こちらの税率がかなり高く、そして累進課税の課税点が非常に低いのもご存じだと思います。つまり、10%20%の税金じゃ済みません。ちょっと収入が多いとすぐ最高税率になります。

オーストラリアの高金利で優雅に暮らそう、なんてことが簡単にできるのかどうか。よく調べていただきたいと思います。半分近く税金で持って行かれても大丈夫なのか、ちゃんと計算してみてください。

そんなに資産がないから関係ないと思う方もいらっしゃるでしょう。でもその少ない資産から産まれた所得、なおかつ他の所得も合算されて、日本より高い税率で課税されるとなったら、優雅に暮らそうなんて話は絵に描いた餅だということです。

未だにオーストラリアは物価が安いなんて書いてある案内がありますが、それは昔の話。日本がバブルの崩壊後の後始末でドタバタしている間に、こちらはオリンピックも開催され好景気。そして物価もどんどん上がっていますし、為替も高い。

申告するべき物は申告して、払うべき物は払う。是非とも当たり前のことをして、それでもちゃんとやっていけるのかどうか、しっかり計算していただきたいと思います。

そして、後ろめたい気持ちも持たずに、是非とも、オーストラリアでの素晴らしい生活を満喫していただきたいと思います。もしも多くの税金を払わなくてはならないにしても、こちらにはそれに勝る喜びもあるわけですし、やるべき事は是非やってください。

あるいは、マレーシアなんてのもいいかもです。数カ所気をつける点がありますが、ほぼ全所得が無税となります。もちろん、マレーシア以外の他国に収入の源泉がある場合にはその国の税制に従う必要があります。ただし、その国において課税されない所得なら、何も、どこにも払うべき物がないということになります。

オーストラリアの税金高いですよーー。日本の税金は高い、なんて思う人がこっちに来たら腰を抜かすかもです。 www

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追記

オーストラリアには非居住者に対する利子所得の分離課税がないと書きましたが、間違えでした。ちゃんとありました。
租税条約を結んでいる国の居住者であることが条件で、日本の場合は10%。ただし、基本的に日本で申告義務があるわけで、10%払えば終わりというわけにはいかない。オーストラリアの居住者は総合課税。

渡豪する前に税制を調べる重要性” への2件のコメント

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    豪に住もうと考え、約10年位前にサーファーズのANZに口座を開き、今でも持ってます。
    日本にいた時も現在マレーシアに住所変更してからも利子にかかる税率は10%のままですよ。

    しかし、読むと私はとてもじゃないですが、豪に住めないですね。
    マレーシアは無職で預金額を小分けにすれば、実質タックスへブンですよ。

  2. SECRET: 0
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    MM2Hから見ると完全なタックスヘイブンですね。

    もしこの優遇制度が無いとしたら、私はマレーシアを選ぶことは無いと思います。

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